阿曽原温泉小屋

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下ノ廊下情報(まだ判断がつきません!)

2025-08-30

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被害を受けた「東谷吊橋」 詳細な調査はまだです

「下ノ廊下は今シーズン歩けるのだろうか?」と心配しておられる方も多いのではないかと思うのですが・・・

●下流から上流(仙人谷ダムから上流へ)

大雪・猛暑の影響で「水平歩道」の整備が遅れており、損傷を受けている仙人谷ダム上流「東谷吊橋」の調査着手は9月に入ってからになるようです。

吊橋のワイヤーを支える、鋼鉄製の支柱の歪み等の大きな被害が無ければ歩行板などの補修に掛れると考えられます。

下流側からの整備業者は上流の黒部別山谷までが持ち場なので、吊り橋の補修後に整備に入ることになりそうですが・・・

スムーズに吊橋整備を終わらせることが出来るのか???着手してみない事には分からないのが現状です。

●上流から下流(黒部ダムから下流へ)

内蔵助谷出合までは夏山シーズンに合わせて整備済みで、その下流に向けても整備に入っていますが核心部の「新越沢出合~大ヘツリ~黒部別山谷」についてはダイブツ達が9日頃から本格的に整備に入る予定です。

※今シーズンは大雪だったので岩壁に作られた登山道が隠されていたり・各沢からの雪崩デブリが大量に溜まり登山道を埋めているのでは?等々心配していたのですが、ヘリコプターからの視察情報によれば核心部は案外少ないとのことでした。

両方からの整備については、深刻な問題が発生していなければ案外早く整備が済むとは思うのですが・・・ いずれにしろコース全体を、人間の目視で直接確認出来てからでないと大まかにでも見通しを立てることは出来ません。

計画しておられる方々も困ってしまうと思うのですが・・・阿曽原小屋としても、早目に見通しが立たないと動きが取れず困っている次第です。(ダメならダメで、アルバイトにでも行きたいのですが・・・)

山に入るとは!(結論は出なかった?出せなかった??)

2025-08-29

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チングルマも終わって、秋も目の前です

昨日、立山町役場で立山室堂で出没している「ツキノワグマ」対策会議が開催されたとニュースになっていました。

富山新聞

各機関がそれぞれ意見や態勢を取るようですが、立山町は来月からハンターと職員を配置することとなるようです。

立山町長の仰る通り「何かあってからでは遅い!」は、もっともな意見で配置することが出来れば周辺施設従業員と利用者にとっては一定の安心感は与えてくれることになるはずなので大賛成ですが・・・

ならば実際に猟銃で駆除することが出来るのだろうか? ウロウロしているだけで危険と判断して駆除する訳にもゆかないだろうし・・・

夏休みが終われば、室堂の人出も少なくなるとは思うのですが、目撃されているエリアは「一の越」「浄土山」「室堂山」「雷鳥沢」各方面へ向けて登山道もある事から通航制限広報等しても、実際に人間に危害が加えられる等緊急避難的な状況になれば、そんなこと言ってられないのですが。(今のところ適度な間隔を開けて棲み分けられてる?)

対策は関係機関に任せるとして一般利用者として出来る事は、とにかく人間が「餌」を持っていると認識させないために、弁当・行動食・生ゴミなどの後始末を徹底する等、自分が出来る事をシッカリ行いながら山に入っていただくのが大切なのかと?

更に不安を感じるのであれば、クマの目撃情報の有る山域への登山を延期するなども必要かと・・・

これまで気軽に室堂に入れていたのは便利でしたが、改めて高山・奥山に入るのだと認識してもらえれば。(元々はクマも生息するエリアで、今年は目撃情報が多いだけ)

山に入るということは、「自分の身は自分で守る!」のが大原則ですが・・救助要請等も簡単に出来る様になって来て自救能力が落ちて来ているというか?「山に入る」って意識が薄れてきつつあるのでは?(困難や苦労を、自力でガンバって乗り越えるのが登山の醍醐味では)

怪我をすれば救助要請は当然していただいても良いのですが、山に入るのならばもう少し気を付けていれば防げるものがあると現場で思っております。

最後に! 

クマを駆除する度に、地元行政機関等へ「苦情電話」が殺到しているようですが・・・電話する前に実際に現場に来ていただいて、急斜面の藪をものともせずに行き来するクマの姿を見て「あのクマが自分に向かって来たら」と想像してもらえれば・・・普通の人間ならば強い恐怖を感じるはずです。

ならば「クマのエリアに人間が入らねば良い」と言われるかもしれませんが、そうすれば個体数も増えるに任せてクマの生息エリアはどんどん広がってしまい、近い将来に人間が昔から普通に生活して来たエリアまで進出してくることは目に見えています。(今現在でも山に餌が無ければ住宅地に出て来ています)

山小屋運営して登山道整備して、常にクマを意識しながらシーズンを過ごしている者としては、現場を見て広く高い視点から考えてもらえたらと有難いのですが。

保全と利用!・・・難しいわ?

2025-08-28

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一昨日のミクリガ池(湧水で冷たいはずなのですが・・泳ぐかっ?)

昨日まで室堂で二泊して来ました。

天気はイマイチだったのですが、晴れ間を見計らって室堂平周辺をブラついて来ました。

連日ツキノワグマの目撃情報が山岳警備隊に入るのですが、人的も物的被害もないのですが隊員達は動行監視と登山者や観光客への広報や誘導程度しか出来ず・・・(今回は登山道から離れた、這松帯・草付きをウロウロしていた様です)

もちろん隊員達は、捕獲・駆除等出来る仕掛けや猟銃を持つどころか資格さえ持たず・・・猟友会にしても国立公園のド真ん中で、観光客・登山者が行き交うエリアでは制約が多すぎて活動など出来ないのでは?

物的被害はともかく?人的被害が出れば話は変わって来るのでしょうが、今現在の警備隊員達は「熊除けスプレー」「アクリル製の防護盾」で申し訳程度の武装?自己防護?して現場に出てくれているのですが、「そんなんで出て行くの?」って感じでなんだか頼りない装備で雨の中を現場に向かってゆきました。

私は昭和55年から室堂にほぼ毎年入っていますが、時々 クマの姿 を見ることもありましたが「ミクリガ池」を泳ぐ個体が確認されるとは・・・

要は

・個体数が増えた(二年前?のブナ等木の実の大豊作後に沢山生まれた)

・人間を怖がらなくなった(ハンターの高齢化と減少により捕獲される数が少なくなった)

に尽きるのではないかと!

もう少しして木の実が実る時期になれば、室堂周辺から樹林帯の有る標高の低いエリアに移動して行ってくれると思うのですが・・・

今年は「凶作予想」が出されていて、餌を求めて降りても木の実が無ければ冬眠に向けて彼らがどんな行動に出るのか大変心配ではあります。

ただただ、嵐が過ぎ去るのを待つことが良いのか? 積極的な対応を考えて行くべきなのか??? 管理側・研究者・事業者等の関係機関が早急に方針を決めてゆく必要があるのではないかと思うのですが・・・

責任の所在!利害関係?等々が絡み合って?なかなか思う様に行かないのではないかと心配しながら帰ってきました。

奥山を管理しながら楽しんでもらう「保全と利用!」改めて難しい問題だと・・・

明日は室堂へ・・・(黒部はまだ舐められてない?)

2025-08-24

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何者??藪漕ぎ痕が(左から右に薙ぎ倒されてます)

昨日のローカルニュースでも、室堂のミクリガ池付近の遊歩道を「ツキノワグマ」がウロツイテいる動画が流れていました。

幸い人間への被害はなかったのですが、動画を見る限り「ツキノワグマ」は石畳の遊歩道を無邪気に?ブラブラ歩いている様に見えるたのですが・・・

これまでも立山方面では「ツキノワグマ」餌場を求めて移動する姿は目撃されていました。

餌場となる草地(山菜・タケノコ)を求めて立山温泉側の谷から稜線を越えて黒部川の谷に向けて移動する際に、登山道の有る稜線を横断する際に目撃されたり~~ベニバナイチゴの実が実るとイチゴを求めて高山帯の藪を食べ歩き~~秋になるとブナ・ナラ(ドングリ)を求めて標高の低い樹林帯まで下る~~いずれもある程度の距離を保っていたはずです。

基本的には餌がある場所を求めて移動しているはずですが、これまでは人間の気配の有る場所には近寄らなかったのですが、観光客で賑わう室堂で遊歩道を歩いたり 池を泳いだり・・・(昨年から一の越~室堂周辺で目撃情報が増えてきていました)

写真は、先日キャンプ場の草刈り中に水場脇の藪が薙倒されているのを見つけました。

草の折れている高さは低く!藪が薙ぎ倒されている幅はそれなりに広くて・・・推察すると足が短く・身体の幅が有る生き物とすれば「ツキノワグマ」「イノシシ」の何れかが人間が留守の間にうろついていた??

昨日も書きましたが、阿曽原を長期間留守にして人間の気配が無かったおかげで「熊棚」が作られていたこともあったし、昨シーズンは水平歩道の往復に向かう方も若干おられたのですが、そのほとんどの方が「黒い四つ足」(間違いなくツキノワグマ)を目撃して来られました。

黒部に関しては関電の合宿所でも目撃情報は入っておりませんし、「ツキノワグマ」は当然山の中に生息しているとは思うのですが、今のところ「人間の気配」があれば避けてくれているのか???

ただし今年はブナ・ナラが凶作と予想されており、冬眠直前には山の餌が無いとなれば下界に降りて来て、柿の実・栗・畑作物・養鶏用の餌等への大作が必要かも!(個体数が増えすぎている?)

明日から室堂に行ってくる予定ですが、クマに説教しても言うこと聞いてくれないだろうし・・・取り合えず空気感だけでも感じて来れれば

クマが目立っています

2025-08-23

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この丸太橋を挟んでクマと睨めっこしました

北海道では「ヒグマ」による痛ましい人的被害 立山・黒部地区でも「ツキノワグマ」がキャンプ場の食料を荒らしたり目撃情報が相次いでいます。

今シーズンは小屋の営業が出来ていないため、登山道整備・キャンプ場管理・丸太橋材の更新等するだけで阿曽原には常時詰めていないので、クマを直接目にすることはないのですが・・・痕跡みたいなものは例年通りで少しは目にしました。

これまでも、丸太橋を挟んでニラメッコ?・知らん顔して数m先を横切って行く・小屋を一月ほど留守にしている間に小屋の周りの樹木に「熊棚」が作られていた・ハチの巣や道標をカジッタ痕跡見付けたり・・・遭遇・目撃等いろいろあったのですが、「ツキノワグマ」だから??攻撃を受けたり威嚇されたりすることは有りませんでした。

ただ今年については、立山室堂の「みくりが池」を泳いでいたり・薬師峠キャンプ場のキャンパーの食料とテントに悪さしたりと人間の気配ムンムンの場所に出て来ているのが大きく違うのかと。

一昨年は秋の木の実が豊作で、冬眠中に出産するメス熊にとっては栄養を沢山蓄えられたので子熊をシッカリ生むことが出来たのではないかと???(妊娠したメス熊が栄養不足のまま冬眠に入ると、母体を守るために自分で流産させるらしいです)

ハンターの高齢化! 三十年前位に世の中を震え上がらせた宗教団体に猟銃が渡らない様に銃の総量規制的なことを行った記憶が・・・?

結果として、人間を怖がらなくなったツキノワグマが増えてしまい人の目に触れる様になってきたのか?

室堂周辺のクマは、もう少しすれば山イチゴ・木の実が実り出すので元々の餌場に向かってくれるのを期待するのですが・・・キャンプの食料を美味しい餌として認識してしまったならば困ったことになるかと?(今年はブナ・ナラ等の木の実が凶作との情報もあるし心配です)

熊の事を書き始めると終わらんわ~~~

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