阿曽原温泉小屋

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悲しくなります!

2019-10-25

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右足切断の事故現場。(不安定なブロック!事故は、救助隊員を危険に曝すのです)

昨晩は、今日の天候悪化を見越して宿泊者が少なくなり、部屋も余裕で寝ていただく事が出来ました。

来る人来る人見た事あるような人が・・・? 三年連続のペア・三回目の5人グループ・三回目の単独男性・夏にキュウリを持ってきて来てくれた名古屋の男性等々、リピターの方が半数以上!ありがたいことです。

そんな中、王子の知り合いのペアがやって来て「12時に新越出合で、こちらに向かうテント装備の女性二人組が居たけど、すごく歩くのが遅くて・・・届かないやろうな~」って教えてくれて・・・。

他にも足が痛くなって遅くなり、暗くなってから仙人谷ダムへ阿曽原にヘルプを頼んで警備隊員が迎えに行ったりの対応がありました。

今日の10時半過ぎ、ザーザー降りの雨の中を母娘?二人の女性が阿曽原に到着。心配されていた女性二人組でした。昨夜は遅くなって、十字峡でテントを張って泊まっていたとのことです。

・これから雨が強くなる予報で折尾谷の渡渉が心配!

・歩くペースが遅すぎて、トロッコの終電車に間に合わない!

・お母さんの方が顔面蒼白で消耗している!

等の理由で小屋に素泊まりしてもらうように説得。

聞けば、お母さんの方は本格的な登山はあまり経験が無いみたいなことを言うし、ここの情報も見て来ているって言うし・・・。

・自分の実力で黒部に入れるのか判断が付かなかったの?(12時に新越出合は遅すぎ、途中で引返す判断は出来たはず)

・この二週間で、5人もの死亡事故が発生しているのを知っているはずなら、もっと慎重に行動しなければ。

・無理な登山をしているのを、見て来た他人が心配してくれているんだから心配掛けたらダメ!

等と女性二人に対してはキツイ言い方でしたが、連日のように発生する事案と、更には「この登山情報を見ている」と言うのであれば「安全に黒部を楽しんでほしい」から流している注意喚起の情報なのに、突っ込んで来てしまう身の程知らずな行動に悲しくなってしました。

足の故障等アクシデントでの遅れは仕方ないにしても、実力不足での入山は厳に控えてもらわねばならない場所なのです。

(普通に歩ける方なら初めての方でも、キチンと地図が読める等の基本的な事が出来る方なら問題なく歩けますが、そもそも歩くのが弱い方は残念ながら無理ですから!

一つ間違えば命が無くなる場所だと言う事、身の程知らずの行動は他人に心配掛けるし、ましてや事故を起こしてしまえば、救助隊員やヘリコプターを危険に曝す事に成るのですから。

諸々の続報!

2019-10-24

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ヤマドリモタセ!

壊れた「大ヘツリ」のハシゴ場については、昨日は元の歩道を全員無事に歩いて来られておられます。

先日、夜遅くに警備隊に迎えに行ってもらった話を書きましたが(その方は昨夜、15時間余り掛けて欅平に届いたそうです)、昨夜も欅平からの予約のパーティが遅く届かれて・・・。心配して警備隊員が迎えに行く準備をしたら、ヘッドランプの明りが見えて、小屋に届くまでに一時間近く掛られました。(メンバーの70代女性の血圧が200オーバーになったそうで・・・)

営業もあと五日となりましたが、毎日毎日心配な日々が続いております。

※紅葉は、見上げた辺りがキレイになってきました。

速報! 「下の廊下情報」梯子が壊されました。

2019-10-23

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ハシゴから手前の、元の歩道を歩く事に成ります。

23日正午、今入った情報です!

大ヘツリの高巻き桟道が、落石で壊されているとの情報が入りました。

桟道通りに高巻きしようとすると、黒部ダム側から2つ目から先の桟道が落石で丸ごと吹き飛ばされているとのことです。(写真中央の直立した丸太ハシゴの上部が破壊されていたそうです)

桟道を通過出来ないので、元から岩盤に作られていた歩道を使って通り抜けて来たとのことです。

この部分は、元の歩道脇の岩盤にクラックが入ったため迂回する為に高巻き桟道を作っていたのですが、

・補修するにも明日の通過者に間に合わない

・熊の出没騒動で歩道整備作業が中断している

・シーズンが終了間近

等々の理由で補修に向えるか微妙な状況です。

前にも高巻き桟道のことを書きましたが、元の歩道のクラックは毎冬毎に少しずつ広がっている様なので高巻き桟道を作っています。

迂回されている元の歩道の距離は14mくらいで、実際にクラックが入っている長さは5mくらいです。人間一人が乗って歩いても、岩場の質量と比べれば比較にならないものなので通れない事はないと思うし、実際本日の登山者も元の歩道を歩いて来ておられます。

手摺番線もシッカリしているのですが、大人数で数珠繋ぎで通過するにはさすがに気持ち悪いのですが、一人ずつ通過して頂ければ滅多なことは無いとは思うのですが・・・。

先にも書きましたが、補修に向えるかどうかは微妙な状態ですので、

・高巻き桟道は使えない!

・元のクラックの入った歩道を一人ずつ歩く事に成る!

(通れない事はないとは思うのですが、通行の安全を保障しているものではありません!

を理解したうえで「下の廊下」に向かわれるのか?キャンセルされるのか?決めて下さいませ。

(阿曽原側から向かうと、梯子が邪魔して元の歩道には立ち入るには跨ぎ込む様にして入ります)

今年は最後の最後まで・・・・・・。

知らぬ間に。

2019-10-23

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自分の影が長くなりました。(午前9時の小屋前で)

去年も今年も、10月末まで暖かい日が続いています。

営業期間を「11月3日文化の日まで伸ばしては」とのご意見もあります。(実際去年の文化の日のキャンプ場には66人もの方が)

昔は文化の日まで営業したことも有ったのですが、黒部ダム直下で登山道が凍結して怖くて歩けない事が有りました。更には、営業終了後の後片付け時に行う布団干しも陽射しが極端に低く短い時間しか期待できず、他にも諸々の困難が出て来たので現在の10月末としております。

それにしても、今年は暖かい!この時期、未だ毛布を掛けて寝ていないのは今年が初めてでです。

※キャンセルは確実に願います。

昨日予約のお客様3人が夜になっても届かず、携帯電話へ電話しても「電波の届かない・・・」との応答が・・・、一昨日の例もあるので、警備隊員が折尾谷の手前まで様子を見に行ってくれましたが発見できず。

先ほど小屋に当該登山者から「着信が有った」との電話が入り、行くのを諦めてキャンセルを入れず携帯の電源を切ったまま他で泊まっていたことが判明して一件落着。

心配しますので、キャンセル電話は確実にお願いいたします。

あと一週間。

2019-10-22

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やっと、色付いて来ました。

今年は、台風19号の影響で関東方面からの登山者が非常に少なく、反対に目立つのが中京圏からのお客さんです。

名古屋で毎年6月に行われる「夏山フェスタ」に顔を出してくれている方々が、夏山シーズン中から来てくれています。

来年の開催は、

2020年6月27日(土)~28日(日) ウインク愛知

の予定となっております。

遅れていた紅葉が降りて来てくれました。

今朝は、立山室堂以上では降雪が有ったそうです。寒さが紅葉を進めてくれるので、これから期待出来るのですが・・・あと一週間で営業も終わります。

自分が入れるエリアなのか?

2019-10-22

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落ちると、ほぼ助からないんですから!

昨日も、黒部別山谷出合付近で転落死亡事故が発生してしまいました。

去年もたて続けに2件の発生がありましたが、今年ほど死亡事故が多発する年は記憶にありません。

それぞれ発生理由はありますが、入山前にはもう一度断崖が続く危険で長いルートに入ると言う事を頭に叩き込んでから歩きに来て頂けたらと思います。

遭難には至ってはいませんが、昨晩も黒部ダムから来た登山者が

「ものすごく遅くて、足取りのおぼつか無い女性が向かっている」(早朝4時頃には黒部ダムを出ているはず)

「小学校の林間学校に使う様なリュックサック(横長のやつ)で、遅い女性が向かっている」

と口々に言われて・・・。

暗くなっても小屋に届かないので、詰めている山岳警備隊員が探しに向ったところ疲労困憊でほとんど動けなくなっている女性と合流。

サポートされながら20時半過ぎに小屋に到着、目は虚ろで真直ぐ立つ事すら出来ず、穿いていたジャージトレパンはズリ下がり、食堂に入った途端にへたり込んで・・・。

昨晩は22時頃から冷たい雨が本降りに、もしも警備隊員に見つけてもらえていなかったら、今朝までに低体温症~疲労凍死に至っていたであろうと思われます。(実は二週間ほど前にも、同様な短パン生脚の女性単独登山者が来られて・・・)

他にも、

○装備の点検・使い方の間違い。

・ハーネスでは無くザックのウエストベルトにスリングを付けて、そこからカラビナを手摺番線に通しているグループがいたり。(バランスを崩したら、ウエストベルトでは止まらないのでは?止ったとしても身体がどんな体制で停止するのか?最悪、ザックから抜け落ちてしまうのでは?)

・見た事も無い、骨董物のヘルメットで来ておられる方。

・相変わらず、靴底が剥がれる方がおられて到着が遅れる方も

○先日の黒部別山谷での渡渉失敗事故の判断ミス!(同日は、計画をキャンセルされた方々が大勢おられたのに突っ込んで来ての事故でした)

等々、心配な方々が歩いておられるのが実情です。

もう一つ特徴を上げれば、半分以上が単独登山者です。

自分の状態が客観的に見る事が出来なくなったり、転落しても気付いてもらえない(直後の救助で助かる事も)等のリスクがあります。

それと案外元気な方が遭難されています。 元気にスタスタと歩く余りに、不安定な場所に足を置いてバランスを崩してしまうのではないかと・・・。

小屋に来ていれば、注意喚起・不備の指摘・天候の相談等してあげられるのですが、遭難された方のほとんどが小屋に向っている最中に事故に遭っておられます。

入山前に、自分のレベルで歩けるルートなのか?もう一度考えて、十分な準備と心構えで来てください。(自分のレベルで歩けないなら、信頼できる仲間に同行してもらうか、お金を出してガイドを頼んで頂ければ)

厳しい事を言うようですが、誰でも簡単に歩けるルートではありませんから!

事故多発につき、取り急ぎ!

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