雪を舞い上げてから!
今回のゴールデンウイーク中は、幸いなことに重大な事故は無かったのですが・・・。
入山指導員をしていて、気になったことっ!チューか改めてというか。
〇雷鳥沢へキャンプに来たけれど、この時期に前回来た時には雪が無かったはずなのに!って言い張る単独女子。(優しいT指導員が、積雪対応出来ないので空いている山小屋を探してあげました。ちなみにT指導員は大仏の大先輩であらせられます)
〇アイゼン・ピッケルを持たずに、ハイブランドのアウトドアモドキのシューズにスパッツ無しで雄山に向かおうとしているリッチ?な御夫婦。(口酸っぱく説明しておきましたが、屋上の雪の上に出れば納得したはず)
〇弥陀ヶ原まで雪の上を歩けますか?って質問されて、半日は掛かるし、軽登山靴でスパッツ持たずに歩くと足が半日持ちこたえられるか??(アッサリ諦めてくれました)
等々、まさか!大袈裟な!と思われるかもしれませんが実際の話なのです。
交通機関で便利に標高2,450ⅿまで来れるアルペンルートですが、この時期は一旦荒れると「冬山」に逆戻りしてしまうい、吹き付ける寒風の痛さ!凍った稜線の恐怖感!雪で足を蒸らしてしまった時の冷たさ等々を理解しておられるのか??
昔から言われていることですが、少ないけれど「夏山感覚」で来ておられる方が・・。
入山者の中には、何度もお客さんを連れて上山して来るガイドや毎年現れる山岳会の面々もおられて、我々が一々説明するまでもない強者も大勢おられるのですが・・・。
そもそも登山と言うものは、自分が山と対峙して自分に合った(行きたい)山を決めて・計画建てて研究して・体力つけて身体鍛えて・その場その場で状況に応じて考えながら歩いて・達成感みたいなものを得て・安全に帰って来る為に頑張る事では??
ご丁寧に「入山指導」までする必要があるのか?と考えることもあるのですが、現状を見ると立山の便利さが続く限りは「入山指導」は続けてゆかなければならないのかな~などと考えさせられました。(富山県は優しーい)
それにしても、写真のヘリ出動はスノーボーダーが立山から黒部川方向に滑降中に仲間と逸れて・・・怪我もしていないのですが(迷子?)救助要請して来てピックアップされて室堂まで運ばれてきたものです。
巻き上げられた雪煙の中を慎重に着陸するところですが、雪山で救助ヘリを飛ばすチューことは危険も伴うし・・・収容されてから警備隊から厳く叱られているだろうけど、でも費用は掛からず帰ってこれるのですから。
明らかな自分達のミス・気の緩みみたいなもので、簡単にタダで救助されるのって???もちろん自力で帰ってこれないのだから助けに行くのは当たり前だけど・・その為の保険もあるし!(「警察の責務」に言う「国民の生命・身体・財産の保護・・・」ってのもあるのだけれど、公的なヘリを使ったら埼玉県??みたいに、費用負担してもらっている県も)
話しは飛びますが、国立公園の「保全・利用」に合わせて「保全」のための登山道整備についての「費用負担」についての話をして来ましたが、「利用」も適正に行えるように救助体制も一緒に仕組みを考えてゆければ良いのにな~っ!なんてことを常々考えているのですが。(あれもこれもって難しいわな~)