阿曽原温泉小屋

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災害等、突発事案については?

2022-08-30

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滝谷の橋下には土砂と倒木がギッシリ(重機は管理組合で中古を買いました)

今回の大雨で被災した祖母谷温泉に向かう道路は、それまで管理して来た国土交通省が祖母谷川での砂防工事が一旦終了したため、富山県・黒部市・黒部峡谷鉄道・沿線の関係山小屋三軒で費用を出し合って「欅平~祖母谷温泉道路管理組合」というものを設立しました。

毎年、道路と奥鐘橋の除雪・斜面の浮石点検・草刈り・ガードレール等の設置と撤去・次回購入する重機の為の積み立て等々を行いながら管理して来ました。(会長は黒部市副市長、道路に関係ない私がなぜか副会長???)

今まで災害が繰り返されてきた道路なのですが、国土交通省が管理してくれている間は任せておけばよかったのですが・・・組合設立時に突発的な災害復旧等のために使う「積立金」を積み立ててきていたので今回の道路復旧費用に充てることを予定しています。

一般的な登山道の多くはは行政が管理する形になっていますが、被災しても緊急に利用できる財源が有りません。(少額で済むものは別ですが)

今回も真砂沢からハシゴ段乗越に向かう橋が流失しても、大した作業ではなくても奥山ではヘリコプターで資材を運搬しなければならず・・費用が嵩み急に用意できないみたいです。

以前も、剣沢二又の吊り橋が鉄砲水で流失した際も復旧費用が無いので・・・我々が阿曽原から山越えして現場に入り流木を引きずって来て仮設の橋を架けに行ったことが有りました。(大仏は、橋の補修に阿曽原~二又間を日帰りしたことも!)

登山道整備の管理については、山小屋が「シャーないな~」的に行って来たものも多く曖昧なまま管理が行われてきたのですが・・・今回の様な突発的災害には直ぐに対応できない問題が出て来ていました。

各登山道は、管理方法・作られた経緯等々様々だし、金が絡んでくる話なので議論が必要ですが・・・我々が運営している管理組合のように「積立金」を持っての管理方法もモデルケースになるのではないかと??

登山道が整備出来ていないと、登山愛好者は安心して山歩きが出来なくなるし、貴重な山岳環境の保護管理も出来なくなってゆくのは目に見えています。

山の素晴らしさを次世代に残すためにも、関係者が知恵を絞る時期に来ているのではないかと!

いざ「霞が関へ!」せっかくの機会だけど、上手に説明して来れるだろうか???なる様になれってか!行ってきまーす。

プチ贅沢?

2022-08-29

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「アラキ」は、何を頼んでも溢れそうなのです。

明日は北アルプス山小屋協会の長野県内の会長さん二人と私の三名で、霞が関の環境省まで出向いて状況説明をしながら、コロナ後の山岳環境保全と利用についての説明?お願い?に行って来ます。

せっかく上京するのだから一杯飲んで来たいところですが、感染拡大の最中だし山小屋仲間が営業自粛を強いられていたのに・・・さすがに無理だと諦めて日帰りしてきます。

ここ数日は小屋の宿泊予約もほぼなくて、留守番を大仏に任せて下山してきたのですが、来月上旬から撮影隊・測量作業等で連泊や一時的に大人数になったり、昔アルバイトしていた奴!から十数年振りに連絡が入って友達と連泊したいと連絡が入ったり・・頼みの大仏は来月頭から飛騨市へ出張?に出てしまうので、食事にも工夫が必要になって来るので今日は買い出しに走り廻っていました。

富山市内に出た帰りに、少し遠回りして久し振りに 「麺専門店アラキ」 に寄ってランチして来ました。

いつもは「みそホルモンラーメン」を頼むのですが、二年ほど前に行った時に隣の女性が注文していた「ホルモン蕎麦」が気になっていたので食べてきました。

「ホルモン」と言っても、内臓系ではなくロース肉やバラ肉の切れ端を煮込んであるモノがトッピングされてきます。

11時過ぎに到着したのですが、さすがは人気店!駐車場には次々と車が入って来て店内も既に八割方埋まってました。

写真は普通盛りなんですが、店内至る所に「当店は麺が大盛です」と張り紙がしてある通りで(ウッカリ大盛を注文しようものなら、食べ切るのに大変な目に遭います) 、大き目の器から溢れそうなボリュームで麺を啜っても啜っても減ってゆきませんでしたが・・・初めて食べる「アラキの蕎麦」はラーメンスープより若干甘めの魚介スープとホルモンの煮込みはマッチしているしラーメンよりお腹に優しくて、しばしのプチ贅沢をしてから休む間も無く次の買い出し先に向かったのでした。

痕跡!(歩けますから)

2022-08-29

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滝谷の砂防堰堤上部には・・・。

滝谷の砂防堰堤上部の沢筋は、今回の出水で巨岩と土砂と倒木で埋め尽くされてしまいました。

ズ~ッと上流から堆積しているのが判りますが、滝谷は 「奥鐘山」 頂上直下は断崖となっており、写真は少し下った傾斜が若干緩くなっている部分で、橋から下の滝を下って祖母谷川に合流しています。

途中の斜面に溜まっていた巨岩・土砂・倒木が、大雨の影響で崩れ流れ下って沢筋に堆積したのでしょうが、土砂の量から見れば小さな砂防堰堤でしたが効果が有ったのではないでしょうか?

ならば通行できるのか?って話ですが・・・砂防堰堤の上部のガレが堆積した沢の岩や土砂が動くには、相当量の雨が降らねば動くことは考え辛い様に見えました。(そもそも、大雨が降れば通行規制が掛かります)、

少しくらい砂防堰堤下に落下するモノがあったとしても、橋との間には空間が確保されているので端まで飛び落ちる心配はないと考えられるので通行には支障が無いと考えます。

※それでも通過する際には、祖母谷温泉に向かって左側(谷側)を歩かれる様にしてください!

間一髪!橋と道路が守られたのはなによりですが、沿線では欅平に送る温泉の引湯管が何か所も「破断」「土砂が詰まり」している様で・・温泉が止まってしまい猿飛山荘さんのスタッフが復旧作業に頑張っておられました。(お手伝いして上げたいところなのですが予定が詰まっていて・・・本当にご苦労様です)

みんなに見てもらいたいけど。(真砂沢方面の登山道情報も)

2022-08-28

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左側に残ったブロックは、雷鳥に見えなくもない???

阿曽原谷の雪渓が、一昨日の18時10分夕食時間に地響きと共に大きく崩壊してしまいました。(3ページ前の崩壊から一時間後でした)

食事をしておられた、2組4名のお客さん達は崩壊音を聴いて玄関に飛び出して迫力あるブロックの壊れ方と残ったブロックの崩壊面のキレイな白さに声を上げておられました。

標高1,000Mを切る高さで、夏を過ぎるまで大きな雪渓が残るのも黒部の凄さです。

この先、崩壊して谷底に崩れた大小のブロックはドンドン融けてしまい岩盤と水流が現れます。 左側に残ったブロックと呼ぶには大きすぎる雪渓は、崩れずに縮んでゆき遅くまで残るのではないかと???

毎年何時崩壊するかは決まっていないのですが、絶対感動してもらえるはずなんですが・・・一昨日の4人のお客さんはラッキーでした。

※真砂沢方面の登山道情報!

大雨の影響で、真砂沢ロッジからハシゴ段乗越に向かう剣沢に掛かる橋が流失してしまいました。

今しばらくは、三ノ沢出合いのスノーブリッジをなんとか渡れるそうです。

橋の復旧の目途は立っていないとのことでしたが、詳しいことは室堂山岳警備隊・真砂沢ロッジに問い合わせてください。(真砂沢の主人が、あり合わせの資材で何とかならないか模索中らしく)

こちらも仙人谷の丸太橋の流失・折尾谷トンネルの土砂流入・滝谷の大暴れ等々、今回の大雨に振り回されましたが、登山者に大きな被害が無かったのはなによりでした。(そもそも、そんな大荒れ予報の時に入山する人は少ないのですが・・若干おられましたが)

怪しい者ではありませんから!

2022-08-27

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滝谷から押し出されてきた土砂・巨岩・倒木(砂防堰堤は、それなりに役立っている)

20日の大雨で、欅平~祖母谷温泉間の滝谷が暴れて土砂・巨岩・倒木等が押し出されて、滝谷に掛かる橋を埋め尽くしてしまいました。

道路の土砂除去は重機で終わらせたものの、橋直上の砂防堰堤を埋め尽くした土砂が再度崩落して来て道路を歩く通行人に危害が加わらないか?

心配した道路管理組合事務局から「素人の私達では判断がつかないので・・・」って、俺達って玄人なの??それはともあれ、通航制限が掛かったままでは「祖母谷温泉」を楽しんでもらえないことになるのは黒部の大損失になります。

私は阿曽原から、大仏は休みだったので宇奈月から急遽現場に向かいました。

大仏と連絡を取っていたら「大きな石を動かさないといけないかも?大バールが玄関先に有るはずなので持って来て下さい」って、先日丸太橋の流失現場に持って行っていた120Cmの大バールを手に携えて祖母谷へ向かいました。(やたら重いのです)

現場に行ってみると、橋と上流側の砂防堰堤の間の土砂を重機で崩してくれていたのですが、土砂の上まで登って周囲の状況を確認してみて相当の大雨が降らない限り道路の谷側を歩けば危害が及ぶことは無いだろうとの二人の意見は一致!して、事務局に連絡して一件落着となりました。

それにしても最近二人で外に出る時のスタイルは、毎回「白い長靴」履いて「大バール」を持ち歩いている様な??? 知らない人が見たら・・・怪しいものではありませんから!

滝の下には。

2022-08-27

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橋の下を潜った先には

滝谷の災害現場の橋の下を潜った直下には、水量は少ないけれど立派な滝が有ります。(以前この場所で、ガードレールを乗り越えて滝に近づいて写真を撮ろうとした観光客が転落死した場所です。危ないからガードレールが有るんですから!)

現場で滝の下を覗いてみたら、倒木が折り重なっていました。今回の土石流発生時に岩よりは軽い倒木が先行して流れ落ちて来たのか??橋の下の空間にも倒木がギッシリ詰まって橋の下の流れを止めていたのを見ると、やはり倒木が先行して流下して来ていたのではないかと・・・倒れているおかげで水を吸い重くなっているし、そもそも人間では動かし様も無い大木が沢山あります。

聴くところによれば、滝谷では数年から十数年に一度このような土石流が発生するそうですが、一旦発生した後に徐々に倒木や崩落土砂・落石が上流部に堆積して行って、十数年に一度の大雨が降ると浮いて流されて土石流となるのではないかとのことでした。(裏返せば、この先しばらくは滝谷は安心なのかも)

山で永い間働いて来て、いろんなものを見てきたつもりですが・・・まだまだですわ。

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