阿曽原温泉小屋

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シャーないな~?

2022-05-27

写真

先日、調査に入った崩壊面(木の根っこと岩盤に挟まれた不安定な岩を落としました)

今年は大雪の影響で、作業着手が遅くなってしまい昨日になってトロッコ列車が欅平まで運行開始になりました。

それでも5月末になると山の樹木は葉が開き、雑草が生い茂り視界が効かなくなり作業効率が落ちてしまいます。

今年はそれに加え「毛虫」が大発生しているらしく・・・首筋・手首等々皮膚が露出している箇所はチクチクするし痒くなるしで悩まされながらの仕事になってしまいます。

更には、欅平は崩壊した岩が折り重なって堆積している斜面が多く、そんな場所には「ミヤマイラクサ」 が沢山生えています。 新芽が芽吹いた頃ならば美味しい山菜なのですが、この時期になると大きく伸びた茎・葉にはチクチクした棘に触れるだけで痛くてうっとおしくて・・。(もちろんこの時期には食べれません)

写真は先日調査で見付けた崩壊面ですが、崩壊面の向こうに笑っている様に見える?のが祖母谷温泉のトシですが、足元にひっくり返った生木がありますが崩壊時に残ったもので根っこには岩が抱えられたままです。

ザイルで確保しながら根っこを踏んで揺すって抱えられたままで不安定な岩・石・土砂を落としてやります。(上昇気流のせいで、舞い上がる土煙でしばらく目を空けていられず鼻の孔はザラザラに)

斜面全体が緩んでいると、作業中に斜面全体が足元から崩落して行く危険も有るのでザイルの支点は斜面から縁の切れた離れた場所に取るようにして、万が一作業中に足元の斜面が流れ出しても身体はザイルでぶら下がれるようにしながらの作業です。(何度か冷や汗をかいた経験が)

実際にこの時も、緩んだ岩を落とした時に崩壊面にぶつかった衝撃が近くに立っている私達に響いてきます。(振動が伝わるほど緩んでいる?)

振動は気持のいいものではないし、そもそも危ない仕事のうえに棘や毛虫に刺されながら汗ダク&土ボコリまみれになっての作業は・・・でも、誰かがやらないと「黒部が廻らない!」のだからシャーないなちゅーことなのです。

ヤッパリ生きています?

2022-05-26

写真

崩壊面を下降中の大仏、この直下からの垂壁をぶら下がりながら不安定な岩を落としてゆきます。

今年は大幅に遅れていたトロッコ列車の全線開通ですが、本日より欅平まで運転再開いたします。

なのですが・・旅客運行と関係のない場所での作業に昨日から通っています。

新たな山腹崩壊を疑われる場所を調査して来たのですが、先にドローンで調査したのですが春先と違ってこの時期になると樹木の葉が開いてしまうので見通しが効かず・・結局私達が崩壊状態を観察して当たりを付けて山に入って調べることになりました。

なかなか大変な現場で、「黒部は生きている」って再認識させられました。

小屋開けが迫っているし、国土交通省の雨量計の設置も控えていてカツカツの作業工程を大仏が四苦八苦して調整しています。

尻に火が点いています。

2022-05-24

写真

ノンビリ食べ放題?

欅平までの、山腹調査&防護設備の設置は終わらせて、26日に迫ったトロッコ列車の全線開通には問題ないのですが・・。

今年は本線開通が遅れた関係で、工事専用線沿いの作業着手許可待ちで遅れていて更には別件で厄介な問題が発生していて(トロッコ運行には支障なし)・・・来月5日から予定している小屋建てまでに終わらせることが出来るのだろうかと心配になって来ました。

小屋建てを遅らせれば、第二週から名古屋の「夏山フェスタ」 参加にかぶって来るし、更には梅雨入りの心配が・・・。

まだ小屋建ての準備に、屋根・建屋のサポート材(突っ張り柱)の撤去や水道引きなどを終わらせないといけません。

そうそう名古屋の宿の手配もしなければ、って・・そもそも車で行くか?列車で向かうか決めてないし、持参するパンフの手配等々雑多な準備は小屋建てが始まれば出来なくなるのは目に見えています。

そんな私のアタフタを知ってか知らずか、阿曽原谷の雪渓の上に大きなカモシカがノンビリ現れて・・私に気付くとジッとこちらを窺って、私が雪渓から近づこうとするとドコン・ドコンと競走馬のごとく?向こう岸に向かって駆けだして、そのままの勢いで登山道を駆け上って行く音がしばらく聞こえていました。(そこまで逃げなくても・・)

奴らにしてみれば、この時期は暖かいし山菜の新芽が豊富で食べ放題でパラダイス状態なんだろうな~。少し羨ましく感じてしまう小屋主なのでした。

被害なしなんですが?

2022-05-23

写真

物置きの壁が?

被害らしいものは無かったのですが・・・。

物置の外壁のトタン板が???近付いて、見るとトタンに裂かれたような?引っ掻き傷?叩かれた?みたいな痕跡が・・・。

食品が入っていないのが臭いで分かって諦めたのか?クマにしては、優しい痕跡に見えます。

いずれにしろ、他から力が加えられたのには間違いないのですが??

そういえば、欅平で山腹調査中にも「イラクサ」の新芽だけがやたらと食べられていたのですが・・・大岩の脇の平らな場所で「クマのフン」が一所に盛り上がっているのを見つけました。

元々、彼らのエリアに我々が入り込んでいるのですが・・出会わない様にするに越したことはないのだから、ラジオ・おしゃべり・スズ等で、こちらの存在を伝える様にせねば!

やっぱり多め!

2022-05-23

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昨年、キャンプ場に砂利を撒いたので水溜りが少ない!(もう少しほしい)

18日の仕事の合間に阿曽原の様子を見て来ました。

阿曽原の残雪嵩は多目で、キャンプ場から阿曽原谷まで雪渓がつながっていました。(写真右側、対岸のコンクリートの三角擁壁近くまであります)

ただし雪渓は土砂・腐葉土などは少なめでキレイで、溶け始めると早いのではないかと思うのですが・・・気温・雨量などで残雪の消え方は大きく違ってくるし、雪渓の嵩が高いままで裏側に沢の流れで作られるトンネルだけが発達して、危険な残り方になる事も有ります。

阿曽原谷については、継続して観察が必要ですが・・・欅平から見えた「小太鼓」前後の水平道には残雪は見えませんでしたが、水平歩道の志合谷・折尾谷もそれなりに嵩が高いかもしれません。(小屋に入ったら様子を見て来ます)

小屋も露天風呂も被害らしいものは無かったので、来月上旬に小屋建ては予定通りに出来そうです。

旅立たれました。

2022-05-22

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雪の大谷付近からの剱岳

昨日、佐伯友邦さんの葬儀が滞りなく執り行われました。

山岳関係者・取引業者・遭難対策関係のみならず、各界からの献花で壇上が溢れんばかりでした。(映画「点の記」関係では、木村大作監督・香川照之様・仲村トオル様・松田龍平様などからも)

コロナ禍での葬儀スタイルとのことで、親族以外は開式前に焼香を済ませて帰る形で行われたので、心配していた混雑・混乱もなく割とスムーズに終えることが出来ました。

私が友邦さんと最後に言葉を交わしたのは、一月前の先月19日に芦峅寺の御自宅を訪ねた時ですが、玄関まで出て来られて私だと分かると「イズミなぁ、入ってこい」と居間に入れてもらいました。

奥様が美容院に行っておられるとのことで独りでおられたので、お土産に持参した生地漁港の「カレイの干物」と奥さんが喜ぶかと途中のイチゴ農園で買って来た完熟イチゴを冷凍庫と冷蔵庫に勝手に納めさせてもらって、ソファーに座る様に勧められたのですが・・・。

見れば鼻に酸素吸入のチューブを装着しておられて、足には靴下を重ね履きしているみたいに見えるし・・話し掛けても大儀そうなので、最初に辺り障りのない会話を少しだけした後は、二人でテレビを見て過ごしてきましたが・・・あの時が最後になってしまいました。

昨日奥さんと話ししたら「あの時のイチゴ、友邦さんが一人で食べたんよ」とのことで、当てが外れたけれど最後の届け物が喜んで頂けたのなら「結果オーライ」だったのですが・・・もう少し喜んでもらわないことには、頂いて来た御恩を返し切れないのが残念です。

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