阿曽原温泉小屋

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梅雨明け秒読みらしいですが・・・!

2024-08-01

写真

大量の土砂が、本流を堰き止めてました(河岸段丘みたいな崖の高さを)

本日以降晴天が続く予定で、やっと富山も梅雨明け宣言が出そうです。

写真は先週24日仙人谷の架橋を諦めて撤退中に観た、黒部川本流と 不帰谷出合 の様子ですが、不帰谷上流から大量の土砂が本流まで押し出されて川床が高くなってしまいました。

本流が堰き止められる形になって、上流の鐘釣駅直下の黒部川は川幅いっぱいにダム湖のごとく・・・濃い泥水が割とユルユル?(それでも早いけど)と流れていました。

梅雨末期の強雨は毎度のことですが、黒部は急峻な地形で残雪を沢山抱えているので水量も多く勢いも強いし、イキナリ出水することもあるのです。

30日も立山・剱方面は相当の降雨があったらしく、真砂沢ロッジ横の剣沢に架かる吊り橋が流失して、剱沢二股で登山者が二名増水して進退窮まり一晩ビバークしたらしい(冷静な判断です)との情報が入ってきました。(流失吊り橋の応急修理に北アルプストレイルプログラムが活かされるだろうと)

仙人谷下部丸太橋を架けに行って、架橋ポイントの地形が変わってしまいそのまま帰って来た話を前回書きましたが、もし架けていたら跡形なく流失していた事でしょう。 (そもそも、長年の使用により資材(丸太等)が腐食・流失していたのですが・・・)

白馬岳~祖母谷温泉・唐松岳~祖母谷温泉については、草刈り情報等管理情報は、基本流しません!(黒部ダム~阿曽原間の「下の廊下」は整備の目途が立てば流します)

欅平エリアへ、今年どうしても後立山方面から入りたい方は「岩壁クライミング」「沢登り」「藪漕ぎ」等と一緒で、自分の甲斐性で困難を乗り越える自信のある方は御自由に!ってことです。(冷たい言い方かもしれませんが・・)

自宅に先日電話が掛かって来て、「唐松岳~祖母谷温泉~欅平~水平歩道~阿曽原を歩きたいけれど?」的な問い合わせが有りました。(黒部市役所にも掛かっていたらしい)

「山は逃げないんだから、元々人通りが少なく藪が濃いルートだし地震災害で例年通り管理出来ないんだから、ワザワザこんな年に入って来なくても」って話したのですが・・・。

我々は、そもそも登山道整備を専業で行っている訳ではありません。

山小屋を営業していればこそ、付近の架橋・登山道整備を行っている訳で、今年の様に登山者が見込めない中で「あなたの為」だけに整備に行くことは・・・ナイ!ってことです。(こんな面でも北アルプストレイルプログラムの制度が定着してくれたらよいと考えるのですが)

「アンケート」ありがとうございます!

2024-07-26

写真

多くの方々が「山で安全に感動」するために整備は必須

北アルプストレイルプログラム事務局から「富山県は8月から本格運用なのに、運用前からの募金とアンケートにビックリです。普通この手のアンケートは回答個所にチェック入れてオシマイが殆どなのに、多くの方が自分の意見を書いてくださっています」との話を聴かされました。

この取り組みは「このままでは山が荒れてしまう」と多くの人間は分かっていても、イロイロな事情で制度整備されずいたものを「何とかしよう」と動き出したものです。

環境省の現場担当が知恵を絞り調整しながら作られたプログラムですが、今まで無かったモノが動き出せば「想定外」「不都合」「制度不備」等々が出て来るのは当たり前です。

「応援意見」=頑張れる糧になります。 「制度不備への意見」=より良いシステムに向けての種になります。

多くの方が「山を想い心配して同じ気持ちを抱いておられたのだろう」と考えると、一体感を感じられる?というか私達だけの「独り善がり」ではないのだと分かると素直に嬉しくなりました。

リンカーン大統領の「人民の人民による人民のための政治」ではありませんが、「山に関る者が山の為に動き出す」って・・なんか~通じるものがあると感じるのは私だけ?

これからもアンケートを利用して!(何回でもどうぞ) なんなら山小屋の受付で話して下さったり! してドンドン意見を出して頂き「北アルプストレイルプログラム」が、将来的には「日本の登山文化・ルール・マナー」的なこととして定着してゆければなぁ~~~。

「下の廊下」情報!(頑張れるかも?)

2024-07-25

写真

十字峡

画像は有りませんが、下の廊下をヘリコプターから観察してきた情報です。

「新越沢」付近左岸 

例年ならば、秋口まで残雪が残るが現在ほとんどない。

「黒部別山谷」

すでに本流出合いを埋めるスノーブリッジにはクラックが入り始めており、例年より早くなくなると予想できる。

「大ヘツリ」付近 

全壊しているのでは?と心配していた「高巻きハシゴ」も、形が有る程度残っており修復にはそれほど手間が掛からないのでは?

涸れ沢に落石が堆積している箇所があるが、登山道自体が崩落・崩壊している箇所はみられなかった。

「白竜峡」

本流が残雪で完全に埋まっていた。しかし、タル沢の滝も大きく見えていたところを見れば例年より少ないのでは?

※結論

これから暑さ本番を迎えるのだから、融雪ペースも早まるはず!

取り合えず黒部ダム~黒部別山谷の上半部分は、例年通り9月末までに整備することが出来るかも???

雪が少なくても「盆明け」してからでないと直接調査には入りませんので、追加報告をお待ちください。

※工夫して汗かいて頑張ろうかな~!(決めたわけではありませんから!)

まだ決めたわけではありませんが、案外スンナリ整備が済むようならば・・・黒部ダムからの往復登山者の方のみ「素泊まり営業」頑張ってみようかな~!

さすがに食事付きの普通の営業は補給ルートが限られるので無理ですが、宿泊部屋と寝具の提供・キレイなトイレ・本数限定の飲料販売程度ならば・・「頑張れば出来るかもしれない!」のではと考え始めております。 

先日「小屋は営業しませんから!」って書いたばかりで、コロコロ変わって申し訳ありませんが、昨年の予約電話の多さに応え切れず申し訳なくおもっており・・工夫して汗かけば?最低限の補給は出来るかも??って考えておりますが、これも下の廊下の整備状況次第ですし、素泊まり営業するとしても予約方法・宿泊ルール等々は別途決めさせていただきますので、このページをチョイチョイ覗いていてくださいませ。

ヤッパリ生きてます!Ⅲ

2024-07-25

写真

昨年は、対岸の土台丸太・大岩が見えてますが・・・今は対岸は一変してます

昨年の橋脚制作作業中の写真です。(今年の状態の写真を見せても、荒れ方が解り辛いかと)

架橋するには、両サイドに丸太を受ける橋脚(枕)を作ってから6~7mの丸太を渡して番線で締め上げて橋にするのですが・・・。

写真には対岸に橋脚になる丸太が組んでありますが、橋脚どころか右側の大岩・灰色の太い流木も流されて無くなっていました。

対岸が洗い削られて藪が後退してしまい、藪の下に見えていた大岩も抜け流されて川床から登山道までの落差が大きくなって、ハシゴを掛けるor別ルートに付け替える対策が必要です。

写真手前の丸太を縛り付けてある巨岩が無くなってしまい、中間地点の橋脚の岩は残っていますが周りに岩が引っ掛かって埋まるような形になってしまいました。

川床が上がり水流が変わったおかげで、水流の高さが高くなってしまい丸太橋を架けることが出来ても、流れからの高さが確保出来ないのでチョットした増水で橋が流されてしまう心配が出て来ました。

仙人ダム側からの左岸沿いの藪河原に点けられた登山道のラインはいつも通りの濃い藪を刈り込んで来ましたが、登山道の近くまで川縁が大きく削られているのを見て改めて水の勢いの強さに驚かされました。(現場に来れば、黒部の迫力が解かるはず)

帰りに仙人谷ダムの勤務員さんと話して来たら、仙人谷からは先月末から二回ほど相当量の濁流が出ていたのが分っていたと聞かされました。

先にも書きましたが、橋を架けることが出来ても少しの増水で流されてしまっては・・・そもそも丸太が腐食などで更新時期で今年追加で搬入予定でしたが、地震災害で搬入も延期になり現在残っている使えそうな丸太も多くはないし・・・。

今年は欅平から下山できないので、雲切新道の利用は控えていただくように強く広報してゆくことになりそうです。

ヤッパリ生きてます!Ⅱ

2024-07-25

写真

「滝」の落ち口は塞がれ 「釜」は半分埋まって

架橋ポイント直上にある滝の落ち口には大きな岩が止まってしまい、右側の岩壁に沿って集中して流れていた水流を横に広げてしまいました。(写真右側 影の中に角ばった大岩が)

水に濁りが入っていても「釜」(滝壺)が土砂で埋まって浅くなり周りに土砂が堆積して狭くなってしまいました。

雲切新道新設当時は、イワナが群れているんが見えたし産卵時期にはイワナが滝登りしているのが見られたのですが、今回イワナの姿は見えませんでした。(って、それどころでは無かったのですが)

今まで何度も洪水クラスの氾濫はありましたが、丸太橋が流されることがあっても釜は深いままで形が変わることはなかったのですが・・滝の落ち口に止まった岩が大き過ぎて流れが変わり、水流が分散されて釜を掘る力が弱くなったからでしょう。

右側の岩壁の一段高い所には岩穴が作られていて、そこに橋を作る丸太が隠してあったのですが、土石流が中に入り込んで丸太が埋まってしまっていて狭く低い岩穴で掘りだすのに一苦労。

更には丸太を出し入れする入り口直下斜面の土砂が洗い流されて高い段差になっていて、埋まって泥と砂にまみれ水分を含んで重くなった丸太を引っ張り出すのに一苦労させられました。

ヤッパリ生きてます!

2024-07-25

写真

丸太橋架橋ポイントから上流での山腹崩壊

一昨日、雲切新道の仙人谷下部の丸太橋を架けようと向かいました。

仙人谷に入って上流に向かうと「なんか谷が広くない???」架橋ポイント上流の正面山腹が崩壊がして、谷底を崩れた岩が埋めて嵩上げされてしまい谷底の幅が広くなっています。(昨年の写真を見ると、正面山腹は殆ど崩れていませんでした)

正面奥の黒っぽく風化した巨岩は元から有ったものですが基部がかなり埋まっているのが確認できます。

上流左岸谷底(見上げた右側)も岩で埋め尽くされてしまい、元々は良さげな藪が広がり時期合わせて入れば「山ウド沢山採れるだろうな~」とみていたのですが・・。

所々で岩の上を流れる水流が見えますが、ほとんどは折り重なった岩の下を流れており新たに急傾斜の谷底に積み重なった岩は安定していないのだろうと想像できます。

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