訃報!
2022-05-21
剣沢小屋の先代御主人の「佐伯友邦」さんが18日に亡くなられたと、欅平から仕事帰りのトロッコ列車へ電話が入りました。
7年前に剣沢小屋で体調を崩されてから、主に自宅療養しておられたのですが・・・。 御遺体は、剣沢小屋の食堂の板の間に転がって昼寝をしておられるような・・穏やに目を閉じておられました。
42年前に新人隊員として剣沢に入った時、私が池の平小屋のアルバイトあがりという事でペーペーの一年生の頃から可愛がっていただきました。
昭和57年8月1日、猛烈な台風の直撃を受けてた小屋で瀕死の負傷者を看病しながら吹き飛ばされそうになる小屋を大きな柱でつっかえ棒して夜通し守ったこと。
昭和58年から小屋の場所を雪崩の被害が少ない場所に変えたはいいが、雪のズリ下がりで倒壊しそうになるのを避けるために、春山シーズンには毎年新築の大きくなった小屋を掘り返したこと。
警備隊の訓練で剣沢小屋で宿泊させてもらっていた時の事、私達の班がヤラカシテしまい・・当時の幹部連に食堂~部屋と場所を移しながら散々叱られた後に、消灯後には更に私とN隊員二人だけ真っ暗な食堂で追加で延々と叱られた翌朝、「なーん大した事泣いちゃ」って声を掛けてもらったこと。
ご飯を圧力釜で炊くのが友邦さんの役目で、炊飯量・時間などで圧力調整しなければならないのに、遅くなっても剱岳から帰ってこないお客さんがいると心配して圧力鍋そっちのけで食堂の窓に張り付いて双眼鏡で剱岳を監視しておられたこと。
普段は話しするのも写真撮られるのも苦手な方だったのに、芦峅寺衆の血が騒ぐのか?クマ撃ちの話になると何時間でも楽しそうに話しておられて、陰で「話だけ聞いてると何十頭も仕留めて来たみたいやの?」って言われるくらい語っていたこと。
山の事・山岳遭難の事・山小屋の事・お客さんの事・クマの事・山菜の事・・沢山教えていただきました。
佐伯友邦さんに、お世話になったガイド・山小屋・救助関係・行政・取引業者等々大勢おられますので、会場の混乱緩和になればと昨日・今日と御通夜~葬儀の受付のお手伝いをさせてもらっています。
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