阿曽原温泉小屋

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自分が出来る事!

2019-06-26

写真

仙人谷からの唐松岳!

続き。

遭難者の身体を固定して、背中に背負いロープを張り込んでK隊員に支えてもらいながら慎重に下り出す。

遭難者の顔は、私の肩に乗った格好でかろうじて呼吸をして漏れる息からは血の臭いが、しばらく歩くうちに「呼吸していないかも?血の臭いが違った臭いになってるかも!」と気が付いて、K隊員に遭難者の様子を見てもらい介助してもらいながら背中から下して、真暗闇の中で必死に蘇生を施すが呼吸が戻らない・・・。

数十分その場で頑張ってみましたが、呼吸脈拍とも戻らず・・・瞳孔は開き・・・肺から戻ってくる空気は血の臭いに交じって微かな異臭が・・・。

残念だが蘇生を諦めて「熊の岩」に向かう為に準備を進めようとしたところで、それまで近くでサポートを手伝ってくれていたパーティの同行者が、泣きながら遭難者の名前を呼んで「どうして」「ウソだろ」「連れて来なければ」・・・可哀想で声も掛けられませんでした。

事故発生時から我々が到着するまで数時間、遭難者を抱きかかえて現場で励ましながら頑張っておられたのですから察するに余りあります。

最近いろんなニュースに触れる中で、自分のワガママのために「人の命」を軽く扱ってしまう事件が目についてしまって・・・、全然楽しくない話題を書いてしまいました。

私の背中で亡くなった方はこの一人ですが、目の前で凍死した方や蘇生中に息を引き取った方等々、その数以上の悲しむ方々に接して来ました。(目の前で母親が転落、死亡してしまい文字通り「半狂乱」になった娘さんも・・・可哀想すぎて書けませんけど)

人が亡くなる!リアルに接する機会を持たずに生きて来ているからなのでしょうか? 

人が亡くなる時の、痛み・恐怖・悔しさ等はもとより、関係者の深い悲しみとかに思いが及ばないのでしょうか?ありふれた言葉ですが「命は大切に!」なのです。

昨日で、富山の交番が襲撃されて一年になります。悲しすぎるし悔しすぎる事件でした。

上手く書けませんが、自分が出来る事は山を楽しみに訪れる方々に悲しい思いをする人間が出ない様に、シッカリ黒部で山小屋やってゆくこと! 

明日からの登山道(唐松岳~祖母谷温泉)のパトロールに頑張って来ます!(って言うか、連れて行ってもらうみたいな?台風の影響も心配なのですが・・・) 

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