もしもし、熊はいますか? あったりまえです!!!
2018-08-27
先日も、小屋に掛かってくる「珍問」について書いてみました。
熊については、残飯・空き缶等、熊を呼び寄せる臭いの出るものはキチンと処理しているので、ほとんど気配はありません。 今までシーズン中に気配が有ったのは、山の食べ物(ブナの実・ドングリ等)が不作の年に近くに来ていた痕跡が有りましたが、人の気配の濃い時期に小屋の周りに出て来ることは「阿曽原」ではありません。(不作の年に、朝食前に客室の外の立木に小熊が登っていたことが一度ありましたが、お客さんが騒いだら逃げて行った事が)
15年位前に、シーズン前の小屋の内装工事中に窓から黒部川を見下ろしたら大きな熊が河原を歩いていました。 みんなで、動きを見ていたら薮に入って雪渓の残る阿曽原谷に入ってゆきました。(本流沿いの雑木がワサワサと大きく動いていたので、それだけでも熊の大きさが想像出来るかと)
皆でキャンプ場の端まで行って、雪渓を覗いていると本谷と支谷の間のブリッジの割れ目から奴がノソノソと姿を現しました。(直線距離なら20m足らず?)剣道の心得のある大仏は、振り返ってキャンプ場に置いてあった鉄製の単管パイプを取りに走りましたが、熊はこちらを一瞥して慌てた素振りも見せず同じペースでガサゴソと藪の中へ・・・ってことがありました。
去年だったか?東北で山菜取りの女性が熊に襲われる事件が有りましたが、今のところ黒部ではクマに襲われるようなことはありません。
冬眠前に餌が少ない時・春先に冬眠明けで小熊を連れた母熊等は、危険と言われていますが登山シーズン中はどちらも外れているので、それほど心配しなくても良いのではないかと? 何度も、目撃していますが(仙人谷下部の橋を挟んでお見合いしたり)私に気づいてくれると回れ右をしてくれています。
ただし、生息域なのですから出くわさない様に人間の気配を熊が解るように配意するのが大切なのではないかと、ラジオ・熊スズを鳴らしたり話をしながら歩く様に言われているのはその為ですが、気を付けなければならないのが沢筋・川沿いだと、ハンターの話しや経験則から感じているところです。
どちらも、流れの音が他の音をかき消す! 風が吹き抜けている事が多く人間の臭いが熊に伝わらない!事がその理由です。(熊もニホンカモシカも目が悪いらしい)
※写真は、阿曽原に先日来てくれた単独登山者からの置き土産です。 阿曽原には、15・6回ほど来ているそうで、小屋の前に現われた時には「オウ!見たこと有る顔だね」って思わず声を掛けたら、「去年も来たけど、イズミさんは留守で別山谷で大仏さんに会った」とのことでした。
何時も一人なので、オモチャのピストルだけど熊が居そうな所に行くときには鳴らしながら歩いているとのこと。 この先、親御さんの介護の為に山口県に引っ越すことになりそうで山登りから遠ざかりそうとの事で、「ピストルは置いて行きます。」って置いて行ってくれました。(ピストルの音が熊に効くのか?試していませんが音が大きければ効果はあるかもしれません? 所持して歩く方は自己責任で)
単独で歩かれる方は、準備と心構えが大切だな~って再認識させられました! (そのうち、単独登山者についての私見を書いてみます)
ちなみに数日前に電話が、「欅平の水平道に出た所だけど、サルの群れが居て進めません。どうしましょう?」って言われても・・・俺にどうしろと???
「餌を求めて山を移動しているんだから、その辺に食べるものが無くなれば移動してゆくはずだから、刺激せずにそのまま離れた所で移動してゆくのを待って下さい」
って教えたところです。 奴らは、その人間が弱いとみれば平気で脅して来ます。 そのうち、サル話も書いてみます。
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