阿曽原温泉小屋

k

やっぱり神様の掌の上?Ⅻ(山仕事の予行演習?)

2020-05-24

写真

雲海に浮かぶ白馬方面!(左端雲の下辺りが阿曽原)

目出度く帰還できた三人でしたが、道のない藪山に地形図だけを頼りに「勢い」だけで向かってみて黒部の濃さを思い知らさて・・・将来廻ってくる山仕事の勉強になったのでした。

○標高・地形・斜面の向き等で、植生が変わって藪漕ぎの困難さが全然違ってくること。(山菜取りに通えば解ってきますが、最短距離に惑わされない様に)

○藪漕ぎは出来ても、刈り込んでしまうと登山ルートとしては利用出来ない斜面が黒部では殆ど。(藪漕ぎばかりしていると、普通の登山道歩きの感覚が無くなって)

○山懐が深い山域で、熊の餌になる植物も多く冬眠時の寝床になる巨木が多い等の理由からか?ハンパなく熊の気配が濃いエリアでした。(爪痕・食痕・足跡に気を配る様に)

○地形図を読んで、ゴルジュ帯が待ち構えているのに下降して怖い目に遭ってしまった。(ちゃんと資料を信じて、自分の都合のいいように解釈しないこと)

○季節を読まずに行動したので、水量・水温・水勢の厳しさに真剣にビビりました。(秋口になれば水量が減って来るのですが、オマケに砂防堰堤が有って・・・言い訳するんじゃない!)

でもこの経験が?いろんなことに目を向ける事を覚えて、「中背尾根」の伐開、仙人谷登山道の迂回ルート作り、「雲切新道」の伐開等、この先の山仕事に生かされてゆくのでした。(痛い目に遭わないと分からん奴らですが、見方を変えればシブトイのかも)

行方不明者の捜索や発見救助活動をしてきた経験から、「山で迷うと谷に下る」傾向が有るのは知っていましたし、特に黒部エリアでは下れば下るだけ滝・断崖が出て来て進退窮まり、その頃には消耗しきって登り返す気力も無くなり・・・。

山を下りようとするのは道迷いの行動パターンですが、それを解っていながら「近道」「簡単そう」等の誘惑に負けて、自分を過信して突っ込んで「縮み上がって???」しまったのです。

皆さんも「自分は藪漕ぎをしないから」って思わずに、去年の8月17日に書きましたが道から外れて 行方不明 になる遭難が時々あるという事は、自分も一般登山道からルート外に迷い込んでしまう事が無いとは限らないし、そういった事態に陥ってしまったら思い込みで下り過ぎないことを肝に銘じておいていただければと。

次回は、N隊員とのあり得ない行方不明パーティー捜索の話を書けたらと思います。

アーカイブ

最近の記事