阿曽原温泉小屋 Web アルバム

下ノ廊下
阿曽原版  下ノ廊下(旧日電歩道)の基本情報

①概略

下ノ廊下は、黒部ダム~仙人ダム間のルートで「旧日電歩道」と呼ばれ、電源開発の調査目的のため左岸の切り立った岩盤に無理やり切り拓かれた道です。
昭和四年に平までとりあえず完成したものの、現在のように拡幅されたのは昭和三十二年頃からと冠松次郎氏の著書にあります。
(ちなみに、昭和二十九年頃の整備される前のビデオが小屋に有りますので、視聴ご希望の方は申し出てください)
一般的な登山道とは全く異なり、登り下りは少ないが道程は長く(黒部ダム~阿曽原間は18㎞あまり)、危険箇所の多い峡谷沿いのルートです。
通行できる期間も平年で一ヶ月あまりで、小屋泊・テント泊合わせて2千人前後の登山者が歩きます。


②通行可能期間

平年ですと9月下旬から通行できますが、冬期間の降雪量や雪崩の出方によって残雪の量が左右されるため、開通時期も毎年変わります。
平成5年以降でみても、全く通り抜けできなかった年(平成8年)や10月末にようやく開通した年(平成18年)もあれば、8月の下旬から歩けた年もありました。
毎年10月末日で小屋の営業を終了しております。
11月3日の祝日を絡めて山行を計画したいとの問い合わせがありますが、「10月末以降は日没が早く明るいうちに小屋に届かない」「朝の冷え込みで黒部ダム直下の道が凍結する」「寒気が入ると積雪の恐れがある」等の理由から11月は営業をひかえております。 阿曽原キャンプ場についても、11月以降は水場・トイレ・風呂の利用は出来ません。


③残雪について

新越沢出合~白竜峡間は、秋までスノーブロックが残る年があります。
登山道がふさがれている場合は、その場所を迂回する形で丸太のハシゴと桟道を架けて高巻きします。詳しくは「登山道状況」の写真をご覧ください。桟道の丸太は直径10cm程度のものを3本位づつ並べ、岩壁のアンカーに固定したもので、その他に手すり用として太目の針金が張ってあります。 高度感・岩盤の迫力・丸太の若干のたわみなどで、慣れていない方は大変怖い思いをされると思います。 自信の無い方は、残雪が消える頃に計画されるか、残雪のない年に計画されるか、または、しっかりとしたリーダーもしくはガイドの同行をお勧めします。

アイゼンの利用について
残雪の多い年には黒部別山谷出合の雪渓上を横断することがあります。朝に阿曽原もしくは黒部ダムを出発されれば、日中の気温の高い時間帯の通過となりますし、傾斜もゆるく距離も短い横断ですので、基本的にはアイゼンの必要はないと考えます。しかし自信がなくてアイゼンを利用される場合、雪渓取り付き用のハシゴには絶対にアイゼンを外してから乗るようにしてください。


④ルート整備について

この区間は、関西電力が黒部ダム建設時に、旧厚生省(現環境省)との間で交わされた付帯条件として、ダム建設後もルートの整備を行なうこととなっております。
毎年、転石の除去・丸太桟道の補修や取替え・手すりの補修・迂回路の整備などなど、多額の費用と手間を掛けて地元業者が整備に当たっております。


⑤開通情報について

富山県警察山岳警備隊、関西電力などから発表される開通情報については、ルート整備工事完了後の開通検査が終わった時点で発表されます。あくまでも工事が完了したかどうかの検査ですので整備終了後直ちに検査に入るものではありません。開通情報と実際に整備が終わっているかどうかは別と考えてもらって構いません。
また、開通検査が終了したからといって、関係機関が通行の安全を保障するものではありません。

あくまでも登山は自己責任です。

整備終了後もまれに落石・鉄砲水等によりルートがダメージを受けていることがあります。特にハシゴ・手すり等の設備に頼るときは、損傷がないか十分注意・確認して通行してください。


仙人ダム湖畔 

仙人ダム湖畔 

仙人谷出合と、雲切新道へ向かう登山道。
みんなが怖がるハシゴが見えます。

登山道に秋の訪れ(S字峡~半月沢)

登山道に秋の訪れ(S字峡~半月沢)

この辺りは、道から河床までの高度感の有るところです。

DSCN9166..

DSCN9166..

S字峡下部

S字峡下部

巨岩はどこから来たんでしょう?

紅葉の盛りは!

紅葉の盛りは!

この辺りは、10月中旬以降です。
体育の日の三連休は、黒部ダム付近が(標高1500メートル以上)見ごろで、下の廊下はもっと遅いのです。

半月沢出合の釜とS字峡

半月沢出合の釜とS字峡

覗くときには、ちゃんと足場を確かめてから。

半月沢右岸

半月沢右岸

半月沢の左岸から狭い谷を挟んだ対岸。
ここで県警ヘリは、道の高さでもう少し谷の奥まで進入して、ホバーリングしながらホイストで救助をやってのけました。 
まさに神業!

丸太桟道

丸太桟道

毎年補修しなければならない場所もあります。
半月沢上部の、このあたりで川床まで80~90メートル・ザイル2ピッチ分あります。
以前転落した方を、担ぎ上げましたので実測です。
その方は、社会復帰されているようです。
助かる方は、助かるんですね!

上流側からの半月峡

上流側からの半月峡

左岸に延々と、歩道が見えます。

作郎谷付近

作郎谷付近

川までの標高差は、約90メートル!
上流に向かい、徐々に河床が近づいてきます。
ちなみに、作郎とは開拓期のガイドの地元宇奈月の下立村の松本作郎氏の名前から取ったそうです。

十字峡

十字峡

黒部川本流に劒沢と棒小屋沢が同じ地点で合流している。剣沢の水量に比べ、棒小屋沢が少ないのは上流で黒四発電所に水を抜いているためです。
この見晴台には、小さな広場の黒部川側の岩の裏側に踏み跡を降れば行けますが、急坂ですので気をつけてください。

元釣り堀(白竜峡下部)

元釣り堀(白竜峡下部)

平成7年の洪水までは、ここはイワナの釣り堀状態でしたが、土砂で埋まってしまいました。

白竜峡下部より上流へ

白竜峡下部より上流へ

川が近くなります。

白竜峡上部の滝!

白竜峡上部の滝!

10月15日を過ぎると、黒部ダムの観光放流が終わり、水量は減りますが透明度は上がります。

白竜峡~別山谷間

白竜峡~別山谷間

奥の壁が、大へツリ上部。

別山谷出合下流から上流を望む

別山谷出合下流から上流を望む

奥に別山谷出合上流の、大ヘツリ付近の道が見えます。

別山谷出合~白竜峡へ

別山谷出合~白竜峡へ

下の廊下の核心部は、河原の石と比べると岩が赤いのがよく分かります。

大へツリより下流を望む

大へツリより下流を望む

大変な所に道が作られているのが分かります。

大へツリの高巻きハシゴ

大へツリの高巻きハシゴ

かなり登ります。(下流側)

大へツリの高巻き桟道!

大へツリの高巻き桟道!

毎年作り直します。
怖がらずに、真っ直ぐ立って!

大へツリの高巻き

大へツリの高巻き

3年前に、道の岩盤にクラックが入ったため作られました。
人間が乗ったくらいでは落ちないとは思いますが・・・安全第一です。

大へツリの高巻き

大へツリの高巻き

上流側のハシゴ。
右奥は元の道。

大きな荷物は!

大きな荷物は!

バランスと岩の出っ張りに気をつけて!

白竜峡~十字峡間

白竜峡~十字峡間

一旦空が開けます。
県警ヘリが、救助で河原に降りてきてくれたことがあります。

ポイント!

ポイント!

よく、皆さんが写真を撮る場所です。
十字峡から10分下流。

細いです!

細いです!

怖がらずに、手すりの針金をサポートに足場をよく見て!

丸太桟道は!

丸太桟道は!

よく確かめて、無理して丸太の上に足を置かなくても岩に置けるところも沢山あります。

頭上注意!

頭上注意!

シーズン中何人かは、タンコブをこしらえてみえます。
前をよく見て、集中力は途切れさせずに!

半月沢を見下ろす。

半月沢を見下ろす。

此処は、一日中ほとんど日の射さない暗く狭く深い谷です。
昭和30年代初めまでは、信じられないかもしれませんが吊橋が架かっていた所です。
当時の、吊橋を渡るビデオが小屋に有りますので、興味のある方は申し出てください。
この場所は、NHK「プロフェショナル」で、山岳警備隊員の紹介番組でも取り上げられた場所です。
ヘリから、谷の下部にある白い大岩までホイストで降下して救助活動をした場所です。(近くで見ていましたが、ヘリの操縦は神業としか言い様が有りませんでしたし、危険な場所に降下した隊員も本当に命懸けでした)
慎重な足運びと、手摺り番線に手を沿わせていれば、落ちる事はありません!

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