阿曽原温泉小屋

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信じられないかも知れませんが・・。

2022-03-11

写真

小屋平ダム管理棟の防護壁(大袈裟に見えるけど)

写真は、トロッコ列車の終点手前の小屋平ダム管理棟 を線路側から写したものになります。

見てほしいのはベージュ色のコンクリート壁ですが、右奥に見える小屋平ダムの管理施設の屋根より高く壁本体の厚さも大仏の身体と比べてもらうと相当厚いのが見て取れるかと。

平成8年冬に発生した「泡雪崩」が、管理棟横に建っていた作業員待機所を直撃しました。

窓は全て分厚い木製の板で雪囲いされて防護されていたのですが、爆風を伴う泡雪崩は雪囲いの板の狭い隙間から窓ガラスを破って、待機室内に雪崩のデブリが入り込んで室内を埋め尽くしてしまいました。

無人であったため人的被害はありませんでしたが、もし人がいたら圧死・窒息死していた事でしょう。

ベージュのコンクリート壁は、その後作られたもので右側に斜め下の地面に向かっているのは、線路の山側沿いに作られている冬季歩道に繋げるために線路下にトンネルを掘って通路が作られているからです。

被害発生の数日後だったと記憶していますが、富山大学の雪氷学の川田先生(大仏の恩師でもあり、南極観測隊の副隊長も務められました)と二人でヘリコプターで一帯の山を観察して二次災害の心配が無いか確認して来てくれないかと関西電力から依頼されてフライトして来た事があります。

小屋平付近の地形図を見てもらうと解りますが、一般的な雪崩が走る「沢」は管理棟よりも上流に向かっており管理棟は尾根の末端に有る様に見えるのですが・・「泡雪崩」は発生してしまうと地形なんぞ関係なしに爆風が走るので信じられない方向から襲ってくる証拠で、雪が消えてしまった後は分からなくなりますが、「黒部峡谷」は地形だけが険しいのではなく気象条件等が重なると人知の及ばない事象が起こるのです。

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