やっぱり神様の掌の上?Ⅵ(トップ3)
2020-05-16
続き。
翌朝、いよいよ今まで多分誰もトレースしていないであろう?枝尾根から祖父谷の谷底までのルート調査です。
藪を登るのは、視界が効かなくても基本的に高いところを目掛けて行けばハマることもないのですが、濃い藪を下るのは慎重に下らなければ痛い目に遭います。
ある程度の(かなりの?)強引さも必要なのですが、入り口が優しそうで騙されて岩壁・急斜面に出てしまっては、帰りが大変になるので改めて迂回ルートを探さねばなりません・・・ミスして急な藪斜面を登り返すのは気持ちが折れそうになります。(ホワイトアウト状態でトレースが無い時に、早月小屋から馬場島への下降で小ピークから立山川方向に間違えるパーティーがいるのと一緒です)
1,384m 下部辺りから、地形図と腕時計の高度計と藪の向こうに見える対岸斜面等を頼りにしながら下り出して、なんとか堰止湖から少し下流の谷底に降り立ちました。
最初は狭かったのですが少し進むと幅広い川床になって、沢登りと言うより川登りしながら遡上し始めて、カーブを回り込むと広く視界が広がって天然ダムの堰堤が広い谷底を埋め尽くしていました。
堰堤の高さは真ん中の低い場所でも垂直に30m以上はありそうで、川幅の広い場所なのですが両サイドの斜面に近い所の土砂はもっと高い場所まであります。
運ばれて来た土砂の量を計算するには、私の指の数が足りないので?諦めましたが・・・とてつもない量です!
堰堤の中央には、小さな二階建て住宅くらいの巨岩が埋まっていて、その周りの大岩小岩との隙間から大量の水が湧き出して下流の川に流れを作っています。(確かに大雨が降って、堰堤を越流したら崩れないのか心配に?)
右岸斜面の崩壊面の高さに驚かされたのはもちろんですが、心底驚かされたのは左岸側の斜面でした。(谷の上流から下流を見て右側が右岸)
想像してください、林が谷中に向かって生えている(伸びている)様に見えるのです???
右岸斜面で空に向かって伸びていたであろう樹木が、斜面全体が一気に大規模な地滑りを起こした際に、滑り降る勢いが強いために勢い余って対岸の左岸斜面に登り返して止まったものと考えられます。
今まで山で、凄いモノをイッパイ見て来たつもりだけど「私的トップ3」に入る光景です。
もう少し続く!
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