よーく、観察してみると・・・!Ⅱ(作業着手前の風景!)
2019-03-30
続き!
そのメンバーがロープで懸垂下降していて、二坪ほどのテラスに降り立った途端に足元のテラスが丸ごと崩れ落ちてしまったとのことでした。
降り立った直後で、上部の支点からロープとシャントで確保をしたままだったので転落せずに済んだのです。
それにしても、あのテラスは雑木が生えてシッカリしている様に見えて、中継ポイントや休憩場所として利用していたのですが・・・。
メンバー全員、鼻の穴・顔面・衣服等全身土埃にまみれてしまいましたが、全員元気で何よりでした。(上昇気流は、普段は目に見えないけど岩壁では結構な流れが有ると!)
前のページの写真を観察してもらえると、手前の岩壁は雑木が無い・顕著な凹凸も無く一枚岩の様に見えます。
赤色の服の人間が居る辺りは、雑木が生い茂り・岩が赤茶けてクラックが入っているのが分かります。
東鐘釣山は、黒部川流域では珍しく石灰岩が隆起して出来た山なのですが、均一な出来方をしていないので「混ざりもの」みたいな成分を含んでいる場所は、酸化して赤錆の様に脆くなっているところがあります。
(同じ様に、剱岳の西面にあたる富山平野側は赤茶けて見える場所が目立ちます。まさしくガラガラで落石多発地帯です)
クラックが有れば植生も生い茂り出すことも、クラックの無い綺麗な岩壁では逆に草も生える事が出来ません。
更には、赤錆で膨らんで弛んでしまった岩は脆くなっているのは当たり前の事です。
自分の身を守るには「山を見て考える」事が大切で、いろいろな情報を集めて考えて、総合的に判断することが肝かと。(場所によっては樹木が有る事で安定している事も・・・その場その場で判断!)
これは一般登山道を利用する時にも(普通に生活するにも)大切になって来ることです。 今までも、いくつか書いて来ましたが、周りに気を配る事が大切になって来ると考えます。
このページの写真は、南壁の上縁から見下ろしたものです。
黒部川の水がキレイですが、急流なので泡立っているから白っぽく見えます。 鉄橋の岩壁側が茶色に見えるのは、橋をガードする為に材木等で覆って有ったのですが「牛の首」は遥かに飛んで橋の中間より向こうまで跳ねました。
岩壁の岩が白くなっているのは、落石が落下した時にぶつかって表面が削れて出来るものだし、木が裂けているのは落石?雪崩?等々が分かります。
一つの写真を見るだけで、いろんな情報が入って来るでしょ!イロイロやっていると、いろんなことが覚えられますよ!(それを、怖いと思うか?面白いと思うか?金になると思うか?世の中の役に立っているって思うか?誰かやってくれると思うか???)
平成14年秋の大崩落後に、初めて調査に入った時にはさすがに緊張しました。この壁でもヒヤヒヤ・ウヒャウヒャ話しが沢山有りますが・・・機会が有れば書いてみます。
この記事の URL : http://azohara.niikawa.com/news/2019/03/n20190330a.html