阿曽原温泉小屋

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知らないってことは!Ⅵ(人跡未踏!・・・多分?)

2020-05-31

写真

イメージですが、ゴルジュの側壁は飛沫で濡れてズルズルです。(十字峡の釜)

つづき。

急斜面の藪トラバースを必死で先輩に着いて行きますが、装備が重く大きくて引っ掛かってしまい・・・強引に藪を掴みながらの行動は、時々「ブチッ」と藪が千切れるたびにヒヤヒヤさせられます。 どの藪(草・枝)が、強いのか?どの方向に力を入れれば大丈夫なのか?等々、知識が有ると無いでは大違い!(なんでも一緒ですが、体力・腕力だけではなのです?って私が言っても説得力がないのですが・・・)

藪の生えていない崖は、クライミングしながらのトラバースも草・泥・小石が乗った岩盤斜面でイヤーな感じです。

そんな中を2時間ほど進んだ辺りで、直径20㎝チョイの「しっかりした立木」が2本ほどあって、空も若干広く見える棚状の安心できる??ポイントに出ました。(何かに掴まっていないと立てない場所でも「安心」って??壊れ始めていました)

そこに全員(5~6人だったか?)集合して、その「立木」から各自のハーネスにスリングでセルフビレイを取って作戦会議です。

ここまでは藪が濃く斜面も厳しくて、ゴルジュの中を覗けずに来たが入り口の滝は既に超えているはず。 

ザイルを伸ばして下降するには、ポイント毎の出発点で「支点」にザイルを固定する必要があるのですが、まさに今いる場所の「立木」が立派な「支点」となります。

ちなみに、立木が無ければ岩の割れ間にハーケンを打ち込んで「支点」としますが、スッキリとしたクライミングゲレンデと違い「人跡未踏」の遭難現場では都合よく具合のいい割れ目なんてなかなか見つけられません。

また救助現場では、支点に救助者と遭難者の二人分の荷重が掛かることもあるし、スリップした時の「衝撃荷重」はもっと大きな荷重が掛かるのでしっかりした支点が必要です。

更には、下降するにも藪にザイルが絡まるので、こちらも違った意味での技術と経験が必要になってきます。

レスキューのデモンストレーション見ると「カッコイイ」って思われるかもしれないけど、これまで何回も書いてきましたが現場は「冷や汗」「泥」「返り血」「擦り傷」「死臭」「腐臭」にまみれて「息を切らせながら」のバッチイ作業なんです。(遣り甲斐あるから!続けて来れた??ってキレイごとではなく・・・好き好んで現場に出ている訳ではないし、でも何故か否応なく出動って事が結構あったりして?成り行き任せな人生なのです)

話しを戻しますが、下方を覗くと谷底までは見えないけど、ザイルの長さワンピッチ分辺りにも立木が見えます。このルート以上の侵入口はこの先出て来るか分からないし、既に午後も過ぎており明るい間に合流出来なければ断崖絶壁の縁の藪の中で身動きが取れなくなります。

私とN隊員のペーペー二人を追加のザイル補給等のサポートと残して、先輩たちが下降してみることになりました。

続く・・・。

すみません、なんか最近、話がまとめられなくて・・・。

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