知らないってことは!Ⅳ
2020-05-29
つづき。
下流のゴルジュ帯にテントが張られているのだから、間違いなく生きているはずだが・・・こんな危険な場所を、大学パーティーは本当に下降していったのだろうか???
谷筋からの下降は危険過ぎます、たとえ遭難者と合流しても滝も側壁の岩壁も登り返すにはルート工作には膨大な装備と時間が掛かります。
まして怪我人がいるかもしれないし、合宿最終で行き詰まったとすれば水だけ飲んで凌いでいるかもしれず、こんな岩壁の登り返しする体力が無いかもしれません。(轟音響く中でテントにいた彼らとは、コミニケーションが取れていなかった記憶が)
ちなみに、ヘリコプターから直接ホイスト下降しての救助は、容赦なく狭く深い「池ノ谷ゴルジュ」核心部へ侵入なんて最初から論外で検討もされなかったのでは?
当時のベル206Lでは、パワー不足で侵入は無理だとペーペー隊員の私でさえ思ったし、現在のパワーのある機体でも、機体が大きくなった分尚更ギリギリの隙間しかなくなるはずなので無理ではないかと?って言うか、そんな救助を考えるのは正気の沙汰ではありません!
地形図 を参考にしてもらえれば狭さが分かりますが、国土地理院だって調べようのない険しさで岩壁マークを並べるだけの場所なのです。
加えて側壁からは、所々樹木・雑木が峡谷内に倒れ込むように伸びているのを避けながらの飛行なんて、ローターが何かに触れようものなら即墜落です。ヘリに乗りたがりの私ですが想像しただけでさすがに・・・。
仕方ないので、割と藪が濃く若干傾斜が緩い左岸の側壁をトラバースして進んで、谷底まで下降出来そうなポイントを見つける作戦となったのでした。
続く。
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