知らないってことは!Ⅱ
2020-05-26
続き。
翌早朝、県警ヘリ「つるぎ」が剣沢警備派出所前のキャンプ場トイレの屋根に着陸して、まずは先輩隊員が乗り込み下山ルートを上空からトレースするために捜索に向かいます。
「つるぎ」が出発してから30分位して、警察本部と「つるぎ」が通話している様な???剱岳を挟んだ「池ノ谷」上空から剣沢まで遭難対策無線の電波が届きません。
派出所の連絡要員隊員から、本部からの電話連絡で「池ノ谷」ゴルジュの中でパーティー発見!との一報が入ります。
どうして、そんなところに下れたのか???
ゴルジュ入り口の大滝下流と、その下流にある次の滝までの間の谷底にテントを張っているとのことです。
「池ノ谷」 は別名「いけぬ谷」と呼ばれて、特に下部のゴルジュ帯は大雪の年の春山シーズンに雪で埋まっている時以外は通過は無理! 滝が連続・両岸岩壁の急峻さ・水量の多さ・水勢の強さ・流路の狭さ等々、梅雨明けに下流からアプローチしたことが有りましたが・・・とても奥に進もうとは?進めるとは思えませんでした。
(雪で埋まっている時期ても、常に雪崩・ブロック雪崩の危険があるので、ヨイ子の皆さんは春でも行ってはいけません!地形図見ると、岩壁マークだらけでしょ)
救助方針は、隊員全員をゴルジュ上流の広い「池ノ谷」にヘリで空輸して、ゴルジュ左岸側壁をトラバースして遭難者の真上辺りの若干優しい藪斜面を谷底まで下降して合流後、側壁に登り返して上流に向かうことになりました。
続く。
※仙人池からの裏劔!
左端から右に伸びる 「八ツ峰」 (以下、説明しだすとキリが無いので、左側からコルの紹介を中心に)
写真中央に深く切れ込んでいるのが「5峰・6峰のコル」(下るルンゼに雪が詰まっている)
最高峰(長次郎の頭・チンネ等)左側の小さななコルが「7峰・8峰のコル」
右側残雪が前面に張り付いた、大きなコルが三の窓!(裏側に下る谷が「池ノ谷」)
三の窓コル、右隣が「小窓ノ王」 右端が「小窓ノ頭」と小窓尾根が馬場島に下ります。
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