阿曽原温泉小屋

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やっぱり神様の掌の上?Ⅷ(お気楽な三人)

2020-05-19

写真

新芽を誰かが食い千切って・・・太く瑞々しい茎が土の中に見えています。

続き・・・。

主稜線に戻った我々は、すぐ先の1,715mピークまで様子を見に行くことに。

ゼンゼン藪も薄くて楽勝、地形図 を読むとピークから北西に下って祖母谷川に伸びろ稜線が・・・距離も短く等高線の間隔が広く、同程度の藪の濃さでも随分歩き易すそうに思えます。

谷筋はゴルジュ帯(切り立った大きな岩壁にはさまれた狭い谷)の表記が続くのですが、最奥の砂防堰堤まで行ければ工事現場だったんだから「何とかなるんじゃね!」・・・何の根拠もない淡い期待がムクムクと。 

更には、対岸に工事用の道路(廃道)が来ているので、祖母谷温泉小屋まで道路を歩いて行けそうなのです。

なんて魅力的なルートでしょう! 「こんなに楽チンそうなのに行かない手は無いやろう」って、若く・体力充実・自信過剰で・・・結果として「山を舐めてた」「思慮の浅い」「お気楽な」三人は何の危機感も持たず祖母谷川に向かって下降始めたのでした。

藪斜面だけど傾斜が緩いので、ドンドン高度を下げることが出来ます。一気に500m余り下った辺りで一段と緩い砂礫斜面で藪が少ない場所に出ました。

「スゲーッ!」その場所はそこら中に、太くて・葉っぱが伸び切らず・茎が斜面に埋まっていて柔らかい見事な「山ウド」がワンサカ生えていたのです。

あまりの見事さに見とれていたのですが・・・先に誰か来てたの???折れたまま泥斜面に転がっている山ウドが??? その横に生えていた「太いアザミ」が無くなっていて、泥の中に引き千切られた茎が残されています! その近くには、泥に残された「足跡」と暗緑色の「フン」が!(山菜が豊富な時期は、たぶんフンの色が暗緑色に?)

そうです、紛れもないクマのモノ!ましてや「フン」は、瑞々しい?というか形も崩れておらず湯気が上がっているがごとく、足跡・フンともに大きいところを見れば相当な大物に間違なく直前までここで食事していたのでしょう。

周りを見渡しますが、クマの姿は見当たらず一安心ですが・・・それにしても「アザミ」も美味しいけれど「山ウド」だって人間様にしてみれば大喜びなのに、クマは足で踏みつけてゆくのだと知らされたのでした。

(「アザミ」を湯がいたり塩漬けを戻すと、黒くなるのは・・・「ミネラル」豊富なのかも???それともクマの好き嫌い?)

そんなことに感心している場合ではありません!早くこの場を離脱しなければ・・・幸いなことにクマの足跡は、我々が向かう方向と逆の上流側に向かっており、ホイッスル吹いたり大声出したりしながら先を急いだのでした。

続く~っ!

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