阿曽原温泉小屋

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グルッと半周見たことある??(もう見たくない!)

2025-10-16

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「急がば廻れ!」って丁寧な礼状でした

昨日、見慣れない方からのお手紙が届きました。

何だろう?開封してみたら、三年前に怪我された方からの丁寧な礼状でした。

発生が夜で急斜面の崖を担ぎ上げるには、ダイブツと私の二人ではどうにもならず・・・

当日の昼間は下界で28℃もあった日で夜の初めは暖かかったので、怪我人を厳重に保温して翌朝日の出まで現場で付き添ってビバークすることにしたのでした。

我々も保温してビバーク態勢に入った頃までは良かったのですが、晩秋の黒部の夜はドンドン冷え込んで来て・・・加えて長靴で現場に行ったので、渡渉の際にズボンを濡らしていたので下半身から強烈な冷えに襲われてしまいました。

快晴で満天の星空はキレイだったのですが、放射冷却現象で容赦なく体温を奪われてしまいビバークを決めた時には「暖かい日だし大丈夫!」って言ってた勢いは消え失せてガタガタ震えながら反省しながら耐えていました。

黒部川は基本は南北に流れているので、下流は北になるので開けているのです。

谷が深くて空は狭いのですが、北極星は良く見えていてユックリと回るカシオペア座を眺めては「あそこまで動けば明るくなる?」なんてことを一晩中考えながら、急斜面で腰掛けて寒さで強張る足腰をさすりつつ「怪我人は痛さで動けないんだから、俺達がシッカリせねば」なんて自分で自分に強がり言い聞かせてカシオペア座が北の空をほぼ半周してしまう長い長い夜を過ごしました。

大怪我だったので心配していたのですが、外傷に加え珍しい雑菌が傷口に入っていたとのことで治療が長引いてしまったとのこてでしたが、お手紙が出せるほど回復された様でなによりです。

お手紙の中にも「急がば廻れ」とありましたが、「黒部に怪我無し」慎重な行動をお願い致します。(今回は、幾つもの偶然が重なっての「生還」的な)

ありがとうございます

2025-10-10

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桟道を支える支柱が美しい??

昨日、組合事務局でクラファンの返礼品のステッカーの封筒詰めを事務局さんと祖母谷温泉のトシと頑張ってきました。

トシとペアで、ゴツイ手の二人が名簿を確認しながら枚数を揃えて・・・この名前は見覚えが? もしかしたらあの人かも? これは御馴染みさん!・・・総計四百数十件!

二人には似合わない作業をチマチマ済ませてきましたが、全国の多くの方々からご支援を頂いていたのだと再認識した次第で・・・有難いことだと感謝しながら作業を進めさせていただきました。

Tシャツについても送付の手配が進んでおりますので、近日中には返礼品の配送が終了するはずですので今しばらくお待ち願います。(ちなみにTシャツは、金額ベースで二百万円余)

※粉末が・・・

桟道を支える支柱が、垂壁に作られているのが解かるかと?(粉末が壁に付いているのは、ドリルで岩に穴を空けた粉です)

支柱を固定するために、岩壁にドリルで穴を空けて~鉄製のアンカーボルトを打ち込んで~支柱丸太とアンカーを番線で締め上げて固定して~桟道を受ける横桟を支柱と岩壁に水平に固定して~丸太桟道を渡して固定~滑り止めの細材を釘で留めて・・・

丸太桟道・丸太支柱も、現場で長さを合わせて切ってから手送りしながらの作業で、狭いし危険な場所なので皆で寄って掛かって進められる作業でもないし手間が掛かるのですが、ダイブツ連は頑張って仕上げてくれたのでした。

やっと!

2025-10-09

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こうしてみると、安定している様にも・・・

皆様から多くのご支援を頂いた「クラウドファンディン」の返礼品ステッカーの発送準備に、これから山小屋組合事務局に行って頑張って事務仕事してきます。

遅くなり申し訳ありませんでしたが、Tシャツの方も準備が着々と進んでおりますのでもうしばらくお待ちください。

支払いが全て終わった時点で組合員で協議して、分配を決めたら皆様に感謝を込めてお知らせしたいと思います。

写真は「大ヘツリ」の続きですが・・・丸太はシッカリしているようですが、やっぱり高度感は怖いかも?

渡り初め?(新丸太桟道完成!)

2025-10-08

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怖がりの方には、コースのレベル(ハードル)が爆上がりしました

黒部別山谷出合の上流区間の「大ヘツリ」 の登山道は、一部分が登山道と岩壁との境に亀裂が入ってしまったためその部分は高巻きハシゴを毎年作って迂回していました。

亀裂は年々徐々に広がり出していたのですが、今冬の重い雪で引き剥がされた?のか登山道が一区間崩落してしまいました。

これまでの高巻きハシゴは、作るのも大変・擦れ違い出来ない・昇り降りが怖い等の問題もあったので崩落区間に空中丸太桟道を作ることにダイブツ連が決めて作ってくれたのでした。

写真で見ると、新しい崩落面が白っぽく生々しく垂壁の荒々しさが分かるかと!

岩の垂壁にドリルで穴を空けて~アンカーを打ち込み~支柱・受け材を固定~丸太桟道を固定~手摺り用のアンカーを打ち~手摺り番線を張り込んで・・・

危険で手間の掛かる作業を行ってくれたのがよく解かります!

これで「黒部ダム~黒部別山谷」までの、ダイブツ達の受け持ち区間の作業はほぼ終了するので、この区間は取り合えず歩ける様になります。

なお黒部別山谷より下流は、十字峡の橋が修復されていないため未整備で通行できません。(調査にも入れていませんので絶対に入らないでください!

お宝です!

2025-10-06

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毛筆サインと「松」の印は五巻全てに 奥は「黒部の太陽」の台本

『黒部峡谷探検』1927年「フィルムは記録する」

国立映画アーカイブ所蔵の映像が、YouTubeで見ることが出来る様になってました。

この映像は、昭和二年に文部省が 冠松次郎吉沢庄作 等に依頼して制作されたと聞いています。(二人のハット&ジャケット姿が渋いのです)

この二年前の大正十四年、十字峡が冠松次郎たちに発見されて「黒部川随一の奇観」として紹介されています。

私は15年ほど前だったか?? この映像の上映会が黒部市で計画されて、その際に映像解説を依頼されたことがあります。

私の親の生まれる前の話しで、果たして解説など出来るのであろうか?はなはだ不安でしたが、無音白黒映像を取りあえず見せてもらいました。

下流から黒薙~猿飛~アゾ原~作郎越~十字峡~仙人谷~池の平~別山~内蔵助平~~~(「アゾ原」と濁点が入るのが正しいと判明)

今では川の流れが変わってしまい見ることが出来なくなった猿飛・東谷や、ダム建設前の黒部川の激流を見て驚かされたり、平の池で遊んだり・剣沢雪渓の下に潜ってみたり・・遊び心?冒険野郎?的な映像に頬が緩みました。

志合谷・折尾谷等の本流との出合い等水平歩道から見えないところも、以前遭難救助や訓練等で入ったことがあり見覚えが有り解ったのですが・・・判らなかったのが最後の方に映された広河原???流れからいえば上流部になるのですが・・・

そこで当時を知る第一次南極観測隊ガイドの芦峅寺五人衆「佐伯栄治」さんがご存命中だったので、お宅を訪ねて映像を見てもらって聴いてみました。

現在では黒部ダムの湖底に沈んでしまった 「御山谷」 前後の河原だとアッサリ教えてもらいました。(私が生まれた頃にダムが作られて、水没しているのだから解かるはずが有りません)

帰りがけに「お前にやるわ!」って頂いたのが、冠松次郎さんから直接頂いたという直筆サイン&印入り「山渓記」全五巻を頂いてしまいました。

更には映画「黒部の太陽」の台本も見せていただきました。

佐伯栄治さんは撮影当時スタントマン?的なお手伝いをされていたそうで、本人は照れて話さないのですが・・どうやら一の越からのスキー滑降シーンは栄治さんだったとの話です。

栄治さんのおかげで、県外からも大勢の来場者の有った上映会では無事に解説役を務め上げることが出来たのでした。

※参考(これもお勧め)

『鹿島槍ヶ岳と下廊下』1930年「フィルムは記録する」

残念ながら(心配しています)

2025-10-06

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十字峡吊橋直下の滝

今シーズンは、十月末日までに「下ノ廊下」の整備が終了する見込みが有りません。

(今冬の大雪被害で軒並み損傷を受けた「丸太桟道」「吊橋」等の修復作業は継続されています)

黒部ダムからの往復で、テント場利用の登山者だけでも受け付けることも検討しましたが・・・残念ですが来シーズン以降に旧日電歩道の整備が終わるまで通行は無理!と判断いたしました。

なので小屋の解体を十月下旬に行う事にいたしました。

トロッコ列車は来シーズン中の全線運行再開を目指していますが、早めに見積もっても・・鐘釣山の対策工事が終了してから「鉄橋補修」「欅平駅構内地盤改良」などが終わるのが夏を過ぎるのでは???

また登山道が利用可能となった場合には、相当の利用者が予想されます。

平成7年洪水被害! 平成8年大雪で不通! 二年立て続けに下ノ廊下が通行出来ず、平成9年の体育の日の連休中日に大混雑したことがありました。

当時は飛び込みさんが小屋に押し寄せてしまい大混乱!夕食は7回戦まわして~食堂に布団を引いて~従業員部屋にも収容して~私は寝る場所が無くなり厨房の床で転がるものの・・・

テント場では張り切れずに、阿曽原谷の対岸・露天風呂脇・水平道までの登り返し等々でもテントが張られていました。(ちなみにテント場だけで午前三時に131張りありました)

コロナ禍以降は小屋の収容も限度がありますので、一昨年以上に小屋の予約が取り辛くなり~テント場利用にはテントの大きさ等の問題から予約も取り辛く・・・ひたすら事前広報して注意喚起~それでも当日は相当の混乱を予想されるであろうと・・いまから心配しております。

阿曽原温泉小屋の営業も変則になりそうですが? 営業出来るとすれば混雑予想されますし、なにより黒部は何が起きるか分かりませんので??計画を立てられる際にはこのページを参考にしていただければと考えます。

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