阿曽原温泉小屋

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ありえへん遭難?

2026-01-08

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県警ヘリ「つるぎ」 いつもご苦労様だわ

続きー5:利用者が少ないということは(実話)

十年余り前の、夏山シーズンでの話です。

単独男性登山者が、「予定日を過ぎても帰宅しない」と家族から警察に連絡が入り、調べてゆくと「唐松山荘」に泊まって以降は後立山の前後の山小屋には立ち寄った形跡も稜線からの滑落等も登山者の多い時期だったのですが目撃情報も無く・・・

県警ヘリ「つるぎ」で、祖母谷温泉~餓鬼山~唐松岳の登山道を捜索することになりました。

当日は私も祖母谷温泉に入って対応に当たっていたのですが、目の前の祖父谷と南越沢出合上空に「つるぎ」が侵入直後ホバーリングを始め、登山道から沢に滑落した登山者を発見して救助隊員が降下して無事収容して一件落着となったのでした。

(藪・樹林帯が濃いコースなので、道から外れていたら見付けることが出来るか???心配していたのですが流石です)

唐松山荘を出発してから一週間目に発見され、登山道から数メートル藪斜面を滑落した沢で止まったのですが、本人は登り返すには打撲も有ったのか?相当な距離を滑落したと勘違いしたのか??

道まで登り返さず・行動食を節約しつつ・沢水を飲みながら・ジッと現場で待っていたのです。

結果オーライなのですが、登山道から数メートルということは・・・草藪の濃い・石だらけの登山道を歩く人間がいれば歩行音や人の気配がするはずで、割と元気で救助された訳だし、助けを求めれば声が届かない距離ではないはずだと思うのですが???

実際、遭難者は助けを求めていないことから「この一週間、誰も歩かなかった」ということになります。 (実際に祖母谷キャンプ場・小屋利用者で、この期間に唐松線利用者を調べましたが利用は確認出来ませんでした)

北アルプスの夏のハイシーズンで「一週間登山者が歩かないコース」ってレアと言うか・・

ありえへんコース!ありえへん遭難!ではなかろうかと。

避難小屋に置いてある「落書き帳」には、毎年何件かは書き込みが有るのですが・・・

毎年八月上旬に草刈に入っているダイブツに聴いても「登山者に会う事は、ほとんど無い」とのことだし・・・

祖母谷温泉に聴いても、登山者は非常に少ないのだけれども「歩けなくなって、夜迎えに向かう件数だけは有る」とのこと。(祖母谷温泉小屋のトシ君は、毎年の功績が認められて県警察本部長表彰を受賞してます)

 「利用者が極端に少ないのに、トラブル発生率が多いコース」

との証拠ではなかろうか。

もう少し続く

唐松線の利用者が少ない理由?

2026-01-07

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ダイブツが南越沢で倒木カット中(奥が草刈り前の道、藪の濃さ判るかな)

続きー4(唐松岳~祖母谷温泉線の利用状況)

前ページで、ありえへん二重遭難を書きましたが、このコース自体がある意味ありえへんコース???

とにかく利用者が極端に少ないのですが、理由を考えて見ると・・・

〇長く暑いコースなのに、水場が大黒鉱山跡の餓鬼谷以外は南越沢まで期待できない。

・餓鬼の避難小屋脇の涸れ沢をしばらく下れば水が取れたのですが、H7大雨で涸れ沢が崩壊して危険を冒して下れても小屋まで急な登り返しに小一時間掛かる

・餓鬼の田圃の池塘は飲めるような水ではない

・南越コル下の水場表記は、涸れていることが多く期待できない

下山路なのにキツイ登り返しがある

・大黒鉱山跡までせっかく下っても 餓鬼山 頂上までのキツイ登り返しが待っています。

〇標高が低いので、猛烈な藪と藪蚊!

餓鬼の田圃 の池塘帯に降りると水溜まりでボウフラが大量発生しており藪蚊の襲来に悩まされてしまいます。(吸い込んでエライ目に遭ったことも)

南越のコルから一気に南越沢まで下る藪道は、標高が下がって植生も濃くなり草刈りを済ませた後からでも次々と伸びて来るのですが何度も草刈りに入る予算がありません。

〇滑る石道

・更に始末が悪いことに、北向き斜面なので登山道の石は苔生して滑りやすくなり、長時間行動後で疲れが出始める頃で標高も下がり暑さが加わりヘロヘロになって、祖母谷に明るいうちに届かず小屋の人間が何度も迎えに行く羽目に・・・

この道は明治の終わり頃、大黒鉱山まで牛車を行き来させるために石を敷いていたとの話も(宇奈月の僧ヶ岳にも牛道の痕跡が確認できます)

ちなみに当時の道は、餓鬼山の頂上経由ではなく現在の避難小屋辺りから山腹をトラバースして大黒鉱山まで道が作られてました。

南越沢沿いに下ったら、先に紹介した崩壊を繰り返しているトラバース道に苦労させられる道なのです。

他にも「クマ」の気配が他コースより濃い様な?(樹木の爪痕の多さ・避難小屋入り口引き戸にクマの手形!等々)

なので、集中力を切らさず行動出来て足に自信のある方でないとお勧めできないし、実際に登山される方も地形図見たりガイドブック読んで敬遠されているのではないかと??

(トレラン系の早掛けの方は、深夜に八方尾根出発~唐松岳~餓鬼山~祖母谷~欅平~阿曽原まで一日で来る方も極めて稀におられますが)

続く

伝説! 「一人二重遭難?」(持ってる漢は違います!)

2026-01-06

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コマクサ!黒部市内に自生していると知っている市民はどれだけいるのだろう?

続き-唐松線は整備に入りません3

唐松線については南越沢沿いの崩壊以外にも、元々注意ポイントがあります。

唐松山荘から登山道を少し下ってた キャンプ場先 には、積雪量によっても残雪量が変わりますが・・・

アイゼン+ピッケルを上手に使いこなせる方でも、緊張するほどの硬雪急斜面トラバースを強いられます。

例年7月初旬のパトロールの際にはメンバーで雪渓をカッティングして来るのですが、雪が融けると元の硬雪の急斜面になってしまいます。

以前は唐松山荘さんの水場が、この先の餓鬼谷内にあったので水場管理の為に山荘従業員が通う為にカッティングしてくれていたのですが、最近は餓鬼谷の水場を使わなくなったそうで急斜面の処理をしてもられなくなりました。

二十年以上前になりますが救助隊でパトロールに行った際に、現役バリバリの隊員が、同雪渓を先に渡って向こうからカッティングしようと先行した時に滑落して雪渓が切れた数十メートル先のガレ場で停止してくれました。

なんとか、自力で安全な場所まで登り返して来てくれて一安心したのですが・・・

なんと! 必死で登り返して来て腰を下ろして休んでいた隊員に目掛けて、自然落石が降って来て直撃してしまい! 再度滑落してしまう「一人二重遭難?」が発生してしまったのでした。

結局、救助ヘリコプターを要請して黒部市民病院に搬送されたのでしたが、現場を改めて見上げてみれば残雪が遅くまで残る窪地急斜面は、植生は皆無で不安定なガレ場が上部まで続いている落石発生ポイントでもありました。

幸いなことに、打撲・裂傷以外は足首骨折でしたが、若くて訓練を積み動きが俊敏で勘のイイ漢だったからこそ、この程度で済みましたが・・・

にしても同じところで二度滑落って、そんな事ある???山岳救助に45年以上関わってきましたが聞いたことありません!

奇跡の生還? ヤッパ持ってる漢は違います!

このポイントの登山道は、残雪が有る間は急斜面で危険な上に・・・雪が融けた後もガレ場トラバースの石屑がイヤーな感じで不安定となって来ていました。

急斜面の残雪で石を積み直したとしても、残雪のズリ下がりで路肩が崩されるのは目に見えていますし、「足場の悪さ」「落石の危険」が付きまとう嫌なポイントです。

実は、昨シーズンのパトロール際に、「昔は唐松岳頂上から大黒銅山まで、直接下る尾根に道が付けられていた」との話があるので関係機関調整の上で迂回路が作れないか?実踏調査に入りました。

〇頂上直下から「コマクサ」の群生地で、貴重な高山植物を痛めつけることになる

〇少し下がると濃い這松帯で、伐開と伐開後に登山道にするには相当の労力が必要

とのことで現実的ではない!との判断に至りました。

まだ続く

困ったコースなのです

2026-01-05

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右側の浜ちゃんは「ピン付き地下足袋」履いてますが、普通の登山靴では???

続き

通常の草刈りについては、ダイブツが若い衆を連れて避難小屋・テントで泊ながら頑張って終わらせてくれていますが、現在の体制で荒れたコースの整備を済ませるのは全く無理な作業量です。

歩くだけでも過酷なコースと標高の低さによる猛烈な藪のため、他の業者さんや森林組合等等が引き受ける者がいないし、仮に引き受けてくれるメンバーが出てきたとしてもダイブツ達の仕上げるレベルまで整えてくれる者は金額を増やしたとしてもいないと考えます。

写真は、倒木の太さ!転石の大きさ!一目で重さが解るかと?更には、藪に隠された穴や隙間に足を入れてしまえば・・・この地点だけが荒れている訳ではないので気の遠くなる仕事量となります。

このコースについては平成八年に、秋の「下の廊下」コースが残雪で通行出来ない年だったので、阿曽原小屋で山で動けるメンバーを集めて大黒銅山跡・餓鬼山避難小屋をベースに合宿しながら、ハシゴ設置・鋼鉄クサリ設置・階段工・伐開・道標設置等々コース全体の整備を行いました。

小屋が暇だったし私も若かったので?現場に入って汗を流しましたが、何日間も大汗かいても風呂どころか水が貴重(取れるのは大黒銅山跡脇の餓鬼谷のみ)なので身体を洗えず・・・それぞれが発する汚臭(腐納豆?)にムセ返りながら?やり遂げた思い入れのあるコースです。

その後も崩壊が進んで道が荒れてしまうコースなので、環境省からの・グリーンワーカー事業 ・森林管理署の予算 ・祖母谷温泉の常連登山者の方が「コース整備に使ってください」って七十万円ずつ二回寄付して頂きその都度緊急整備に当たったり ・個人的に 「シヤ―無いな」 と別途「倒木処理」等に向かったり・・・

通常の草刈り以外でも何度も手を入れて来ましたが、次々と問題が起こってしまうコースなのです。

更に続く

大切なお知らせ!(唐松線は整備に入りません)

2026-01-04

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トラバース道は、雑草に隠れた倒木・転石・浮石だらけで・・・

「唐松岳~祖母谷温泉線」の登山道には、今シーズンは整備に入らない予定です。

昨年7月、宇奈月遭難対策協議会のパトロールで「唐松岳~祖母谷温泉」間の登山道パトローの際に 南越沢左岸沿い の登山道が崩壊していることが確認されました。

翌月8月に登山道の草刈りに入った際に、再度詳細な調査を実施いたしました。

登山道上部斜面の一部区間が、巨木の根を巻き込みながら崩落して登山道が跡形なく破壊・埋没・浮石で塞がっており一般登山者が通行するには危険過ぎると判断しました。

(写真前後の斜面でも、崩落の煽り?雑草に隠れた倒木・転石・浮石が道に止まっています)

写真で確認できますが、崩壊土砂・倒木を避けて高巻き道を作ろうにも脆い砂礫の急斜面で道を作っても一冬で雪の重さのズリ下がりで路肩が舐められて道の体を成さなくなるのは見えています。

崩壊して斜面に堆積した倒木・岩等を除けて道を作るにしても、不安定だし空間だらけ・・・なにより重機が入れる場所でもないので除ける労力を考えただけでも草刈り作業の範疇を大きく超えてしまいます。

ならば予算を計上すればと言われても、相当の復旧費用が見込まれますが・・・そもそも利用者が極端に少ないコースで富山県民の中でも登山道がある事を知っている人間の方が「稀」なコースへ、県税・市税から予算を付けてくださいとは・・・正直言えば、私からは要望できません。

更に言えば「予算が付いたとしても、入札には行ってくれる業者は多分皆無」と予想されます。(割に合わない!)

続く・・・

当たり前のこと・・・

2026-01-03

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昨日夕方の自宅前を除雪中(帰省している娘の撮影)

昨日の夕方まで強く降り続いてしまい、行政の除雪車は間に合わないのか??田んぼの真ん中の自宅前の道路には来てくれず・・・

暗くなり出したタイミングでしたが、朝よりも深く積もった自宅敷地と前後の道路を除雪。

今朝は、近くの踏切~独り暮らしの親戚の御婆さんの家の周り~その隣の高齢夫婦の家周り~付近道路・交差点角をついでに片付けて・・・

帰りがけに近所の人が、紙袋を差し出してくれて?中には缶ビール二本と松前漬けが入っていて「アリガトウ」って・・・照れてしまいます。

私的には「シーズン中は家を空けていて、地域活動にも協力で来ていないし、母親が在宅していた時には近所の人に世話になっていたしで・・」ってことで、出来る人間が出来る事しているだけなのですが・・・

ありがたく頂いて、今夜の晩酌は松前漬けということで!

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