阿曽原温泉小屋

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痛い・痛い・痛い~~~痒いーっ!

2025-09-04

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ヘルメットを振り回しているうちに、張り付いていた「オロロ」

昨日アルバイトに向かう途中、小雨~霧雨の中でしたが直に腫れそうだったので合羽も着ずに黒薙川沿いの作業道をテクテク歩いて現場に向かいました。

薄っすら汗をかき始めた頃、チクッ!チクッ!と耳・腕・腹・ザックと背中の隙間を飛んで来た虫に刺され始めて、手で振り払い叩き落すのですが次々と集りに来ます。

この時期に清流沿いに大量発生する「アブ」でこの辺りでは「オロロ」と呼ぶ黒地に白い筋の入った虫の襲来でした。(糸魚川あたりでは「ウルル」と呼んでるらしく)

ちなみに「山オロロ」は、金色っぽい茶色の身体で目は緑色の奴がいるのですが、これほど多くは有りません。

こいつらは人間の血を吸うために、吐く息・汗の臭いに反応してやって来るのですが、服の上からでも刺されると相当痛いのです。(翌日からは痒くなります)

手で振り払いながら歩いていたのですが、遠慮も無くドンドン数が増えて来て頭に被っているヘルメットの隙間に入り込んで頭を刺され始めてしまいました。

ヘルメットを脱いで手に持って振り回しながら「オロロ」を払いのけながら歩き続けて「冬季歩道」のトンネル内に入って暗くなったところで奴らの襲撃は治まりました。

「冬季歩道」を出て直ぐの現場に着いてヘルメットを視たのが写真ですが、ヘルメット内が雨で濡れていて「オロロ」が何匹も張り付いていてビックリ!(これ見ただけで大襲来が解かるかと!)

少し赤茶色に見えるのは、奴が吸い取った私の血液???

ちなみに帰り道は、襲来に備えて合羽を着てダイブツが持参して来ていたフマキラーを構えて歩いたのですが、一匹も現れず暑くて汗でむせ返りながら歩く羽目に。(晴れ上がって奴らの天敵のトンボが大量に飛び始めたからか??)

今朝は刺された箇所が痒くて、あんまり気持ちのイイ朝を迎えられておりません。

朝から気分の悪い話題で申し訳ないのですが・・・これも黒部なのです。

今日はアルバイト

2025-09-03

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室堂で咲いていたリンドウ

今日は、黒薙川上流へ雨量計管理のアルバイトに。

雨がまだ残っているのですが、現場に着いた頃には上がっているかと?

連日の様に全国でクマ被害が報告されているますが・・・ツキノワグマは嗅覚が鋭いので、我々人間の臭いが雨で臭いが消されてしまうと察知してくれないかも知れないので注意しながら歩いて行かねば!

行って来まーす。

剣沢方面ではクマの目撃情報なし!なんですが・・・

2025-09-02

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立山ケーブル車内に設置された扇風機が・・・

立山室堂周辺では、毎日の様にツキノワグマの目撃情報が有るのですが・・・剣沢方面では、今のところ騒ぎになっていません。

剣沢から見上げた「別山~剣御前」方面の、登山道から離れた斜面で時々目撃されて来たことがあったのですが???

室堂から比べれば、圧倒的に人間の数が少なく目の数も減るからなのか???

幸いなことに人間に被害が出ていないのですが、薬師峠キャンプ場の様に食料を荒らされることの無いよう厳重に管理してもらうと共に、弁当・オヤツ・飲料等の残りにも配慮して頂かねばならないかと

阿曽原小屋を引き継いだ際に

「ビール・ジュースの空き缶の飲み残しがあると、臭いに釣られたクマが空き缶をためておいた大袋を藪に引きずって行って爪で空き缶を裂いていたことがあるから管理には気を付ける様に」

と教わりました。

阿曽原小屋では、生ごみが極力出ない食事と残飯処理にも気を遣っており、ツキノワグマ・タヌキ・アナグマ等々が寄ってこない様に管理しています。

野生動物は「食べること=生きること!」(人間もですが)です。 特に今シーズンは山の中に餌が少なく、必死で探し回っているはずですから人間に近寄らせないためにも管理の徹底が大切になって来るのではないかと。

※マキタ恐るべし!

先日室堂に向かう際に、立山ケーブルに乗ったら天井に扇風機が取り付けられており風を送ってくれて助かったのですが・・・なんとマキタのバッテリー駆動式でした。

阿曽原でも、小屋の建て壊しで使うインパクトドライバー・掃除機・草刈り機・登山道整備に使うドリル等々で活躍してくれているマキタ製品ですが、同じバッテリーを使い回すことが出来て便利なのですが・・・こんなところまで使われているとは!

下ノ廊下情報(まだ判断がつきません!)

2025-08-30

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被害を受けた「東谷吊橋」 詳細な調査はまだです

「下ノ廊下は今シーズン歩けるのだろうか?」と心配しておられる方も多いのではないかと思うのですが・・・

●下流から上流(仙人谷ダムから上流へ)

大雪・猛暑の影響で「水平歩道」の整備が遅れており、損傷を受けている仙人谷ダム上流「東谷吊橋」の調査着手は9月に入ってからになるようです。

吊橋のワイヤーを支える、鋼鉄製の支柱の歪み等の大きな被害が無ければ歩行板などの補修に掛れると考えられます。

下流側からの整備業者は上流の黒部別山谷までが持ち場なので、吊り橋の補修後に整備に入ることになりそうですが・・・

スムーズに吊橋整備を終わらせることが出来るのか???着手してみない事には分からないのが現状です。

●上流から下流(黒部ダムから下流へ)

内蔵助谷出合までは夏山シーズンに合わせて整備済みで、その下流に向けても整備に入っていますが核心部の「新越沢出合~大ヘツリ~黒部別山谷」についてはダイブツ達が9日頃から本格的に整備に入る予定です。

※今シーズンは大雪だったので岩壁に作られた登山道が隠されていたり・各沢からの雪崩デブリが大量に溜まり登山道を埋めているのでは?等々心配していたのですが、ヘリコプターからの視察情報によれば核心部は案外少ないとのことでした。

両方からの整備については、深刻な問題が発生していなければ案外早く整備が済むとは思うのですが・・・ いずれにしろコース全体を、人間の目視で直接確認出来てからでないと大まかにでも見通しを立てることは出来ません。

計画しておられる方々も困ってしまうと思うのですが・・・阿曽原小屋としても、早目に見通しが立たないと動きが取れず困っている次第です。(ダメならダメで、アルバイトにでも行きたいのですが・・・)

山に入るとは!(結論は出なかった?出せなかった??)

2025-08-29

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チングルマも終わって、秋も目の前です

昨日、立山町役場で立山室堂で出没している「ツキノワグマ」対策会議が開催されたとニュースになっていました。

富山新聞

各機関がそれぞれ意見や態勢を取るようですが、立山町は来月からハンターと職員を配置することとなるようです。

立山町長の仰る通り「何かあってからでは遅い!」は、もっともな意見で配置することが出来れば周辺施設従業員と利用者にとっては一定の安心感は与えてくれることになるはずなので大賛成ですが・・・

ならば実際に猟銃で駆除することが出来るのだろうか? ウロウロしているだけで危険と判断して駆除する訳にもゆかないだろうし・・・

夏休みが終われば、室堂の人出も少なくなるとは思うのですが、目撃されているエリアは「一の越」「浄土山」「室堂山」「雷鳥沢」各方面へ向けて登山道もある事から通航制限広報等しても、実際に人間に危害が加えられる等緊急避難的な状況になれば、そんなこと言ってられないのですが。(今のところ適度な間隔を開けて棲み分けられてる?)

対策は関係機関に任せるとして一般利用者として出来る事は、とにかく人間が「餌」を持っていると認識させないために、弁当・行動食・生ゴミなどの後始末を徹底する等、自分が出来る事をシッカリ行いながら山に入っていただくのが大切なのかと?

更に不安を感じるのであれば、クマの目撃情報の有る山域への登山を延期するなども必要かと・・・

これまで気軽に室堂に入れていたのは便利でしたが、改めて高山・奥山に入るのだと認識してもらえれば。(元々はクマも生息するエリアで、今年は目撃情報が多いだけ)

山に入るということは、「自分の身は自分で守る!」のが大原則ですが・・救助要請等も簡単に出来る様になって来て自救能力が落ちて来ているというか?「山に入る」って意識が薄れてきつつあるのでは?(困難や苦労を、自力でガンバって乗り越えるのが登山の醍醐味では)

怪我をすれば救助要請は当然していただいても良いのですが、山に入るのならばもう少し気を付けていれば防げるものがあると現場で思っております。

最後に! 

クマを駆除する度に、地元行政機関等へ「苦情電話」が殺到しているようですが・・・電話する前に実際に現場に来ていただいて、急斜面の藪をものともせずに行き来するクマの姿を見て「あのクマが自分に向かって来たら」と想像してもらえれば・・・普通の人間ならば強い恐怖を感じるはずです。

ならば「クマのエリアに人間が入らねば良い」と言われるかもしれませんが、そうすれば個体数も増えるに任せてクマの生息エリアはどんどん広がってしまい、近い将来に人間が昔から普通に生活して来たエリアまで進出してくることは目に見えています。(今現在でも山に餌が無ければ住宅地に出て来ています)

山小屋運営して登山道整備して、常にクマを意識しながらシーズンを過ごしている者としては、現場を見て広く高い視点から考えてもらえたらと有難いのですが。

保全と利用!・・・難しいわ?

2025-08-28

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一昨日のミクリガ池(湧水で冷たいはずなのですが・・泳ぐかっ?)

昨日まで室堂で二泊して来ました。

天気はイマイチだったのですが、晴れ間を見計らって室堂平周辺をブラついて来ました。

連日ツキノワグマの目撃情報が山岳警備隊に入るのですが、人的も物的被害もないのですが隊員達は動行監視と登山者や観光客への広報や誘導程度しか出来ず・・・(今回は登山道から離れた、這松帯・草付きをウロウロしていた様です)

もちろん隊員達は、捕獲・駆除等出来る仕掛けや猟銃を持つどころか資格さえ持たず・・・猟友会にしても国立公園のド真ん中で、観光客・登山者が行き交うエリアでは制約が多すぎて活動など出来ないのでは?

物的被害はともかく?人的被害が出れば話は変わって来るのでしょうが、今現在の警備隊員達は「熊除けスプレー」「アクリル製の防護盾」で申し訳程度の武装?自己防護?して現場に出てくれているのですが、「そんなんで出て行くの?」って感じでなんだか頼りない装備で雨の中を現場に向かってゆきました。

私は昭和55年から室堂にほぼ毎年入っていますが、時々 クマの姿 を見ることもありましたが「ミクリガ池」を泳ぐ個体が確認されるとは・・・

要は

・個体数が増えた(二年前?のブナ等木の実の大豊作後に沢山生まれた)

・人間を怖がらなくなった(ハンターの高齢化と減少により捕獲される数が少なくなった)

に尽きるのではないかと!

もう少しして木の実が実る時期になれば、室堂周辺から樹林帯の有る標高の低いエリアに移動して行ってくれると思うのですが・・・

今年は「凶作予想」が出されていて、餌を求めて降りても木の実が無ければ冬眠に向けて彼らがどんな行動に出るのか大変心配ではあります。

ただただ、嵐が過ぎ去るのを待つことが良いのか? 積極的な対応を考えて行くべきなのか??? 管理側・研究者・事業者等の関係機関が早急に方針を決めてゆく必要があるのではないかと思うのですが・・・

責任の所在!利害関係?等々が絡み合って?なかなか思う様に行かないのではないかと心配しながら帰ってきました。

奥山を管理しながら楽しんでもらう「保全と利用!」改めて難しい問題だと・・・

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