阿曽原温泉小屋

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見えないものを見る?

2021-05-11

写真

右下に水平歩道のラインが。

先月末、欅平から黒部川上流を写した写真です。

右下の山腹に、水平歩道の白いラインが分るでしょうか?道が消える尾根を廻り込んだ向こうが 折尾谷 のエリアに入ります。

シーズン中は樹木が生い茂り、どこに水平歩道があるのか分からないのですが残雪が残り葉が広がる前のこの時期には見て取れます。

昨年、スマホのマップを頼りに「下の廊下」を歩いて来て仙人谷ダムまで来たところで「阿曽原はこんなに遠いのでしょうか?」って不安になって電話して来た男性がおられました。

以前、スマホを頼りに余裕こいてノンビリ歩いて来ていたら・・・GPS電波が受信できなるわ暗くなるわでパニックになって送電線巡視路を登ってタマタマ携帯受信エリアだったため連絡が来て迎えに出たこともあります。

下界では便利な機能かもしれませんが、黒部は谷が狭く深いのでGPS電波が届きにくいことがあるようだし、そもそも画面の小さなスマホでは全体の概念が把握できるわけがありません。

他にも予約で届かなかった登山者を心配していたら「十字峡まで行きましたが遅くなると思って引き返しました」って電話が掛かって来て一件落着でしたが???よくよく確認すると「黒部別山谷」までしか来ていなかったことが分った事がありました。

自分が知らない山に入ったら、見えているピークや谷が何処なのか確認して自分の現在位置を確かめながら歩けば「コースタイムより時間が掛かっているから到着が遅れそうだ」とか分かるはずです。

大きく嵩張る地形図を常に見て歩けとは言いませんが、事前に山域を調べて頭の中に概念を入れて置いてポイント毎に確認する癖をつけて置けば山を見る目が変わって来るし自分がどれだけ頑張って歩いて来たか調べるのも山歩きの楽しみになるのではないかと。

奥の白い山・左から入る谷を地形図で調べて見られれば?

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