正しい雪洞生活?Ⅲ
2021-03-13

吹きっさらしでテントを張るのとは違い、雪洞内は音が吸収されて静か・温度も外気温に関係なく雪温なので零度前後・テントの様に吹雪で雪に潰される心配も無いのですが、湿度が高いのでモノが乾かない・密閉すると酸欠の心配(新しい雪洞は雪の結晶の隙間に空気があるからそれほど心配ないけど、長く使うと雪の表面が融けて水分で塞がれる形になるので・・・他には閉所恐怖症の人には無理かも)空気が淀む(臭いが・・・)等の問題があります。
寝不足での登高と、遅い時間まで掛けて丁寧に(無駄に?)作った雪洞でしたが、翌朝は風はあるけど充分行動できる天候、今日から始まる「剱岳北方稜線」の核心部縦走は私的には初めてのコースなのでワクワクしながらも気合を入れ直して出発準備をします。
昨日までの尾根とは違い主稜線は富山湾からの強く冷たい季節風に直接曝されるので、痩せた岩稜は凍っていたり急斜面はパンパンにクラストして、雪庇も平らに突き出した庇状であったり巨大な丸いアイスクリームが重ねて乗せられた不安定な形状?だったりと悪場の連続です。
写真や地形図で見ると距離も短く見えますが、ルート工作と確保しながらの縦走は時間が掛かり「大窓のコル」 に全員が降り立った時点で午後も遅くなっていました。この先、日没に向けて行動するのは登山の基本に反してしまうのですが、ヤバい場所の連続で時間が掛かり・・・そんなルートには雪洞を作れる場所など全くありません。
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