阿曽原温泉小屋

大音響が!(登山道情報も)

2019-07-31

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阿曽原谷の雪渓がドンドン崩壊しています。

先ほど、「バフッ」って阿曽原谷から大きながして。みると、雪渓の上辺に大きなクラックが入っていて見る間に「ボフーン―」と大音響と共にクラックから先が崩落してゆきました。

前に何枚か載せてある写真と比べてもらえたら、どれだけ雪渓が縮んだか分かるかと。(滝下の岩盤の流れが随分見える様に)

写真がボケて見えるのは、猛暑で薄い霞がかかったようになっているからです。(もしかしたら夕立が来るかも)

元々少ない残雪だし、連日の猛暑で崩壊ペースも上がるのではないかと思われます。

今日から、大仏達は唐松岳~祖母谷温泉間の登山道の草刈りに向いました。普通の人が見れば正気の沙汰ではない重労働です、それこそ猛暑で彼らが崩壊しないか???

登山道情報!

水平道  阿曽原から上り切った地点(先日テント泊の男性にロープフイックスしてもらった場所)の梯子・その先の壊れていた橋は修理・新設されました。 草刈についても、昨日全線終了しております。未整備の場所は若干残りますが、問題なく歩ける様になりました。

折尾谷の沢の下をくぐる砂防堰堤状のトンネル内に、水が少し溜まっているとのことですが(上手に歩けば靴の中には水は入りません)業者さんに水抜きをお願いしておいたので近々解消されるかと。

仙人谷  仙人池ヒュッテの水場から雪渓が続きます。ポイント毎にピンクテープで目印を付けてありますが、夏道から雪渓に移る場所は薄くなっている雪渓があるかも?注意をしてください。(不安に思えば少し回り込むなど)

仙人温泉直下の渡渉ポイントは、ロープが張られたそうですが、雨も降らず水量も少ないので問題なく飛び石で渡れるそうです。

今シーズン初トラブル!

2019-07-31

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結束バンドは、ホームセンターで買えますから。

昨日は、三連泊目(最近毎年来られるようになって、今年は五連泊予定)のテントと宿泊予約の四人の予定でノンビリしていたら、雷鳥沢発の単独のテント泊が到着。

ロングランを頑張って来たのは良いけど、見ると軽登山靴のソールが両方共先端部分が何とか着くだけで全体ベロベロ状態を紐で縛って騙し騙し降りて来たようです。

小屋のサンダルを貸して上げねば、風呂にも行けそうにありません。

今朝出発する時に、靴底のかかとの部分は木工用のビスをインパクトドライバーを使って固定して、甲の部分は写真の結束バンドでソールごと締めて固定して帰ってもらいました。

去年も、ビス止めして補修した話を載せましたが(昨年の補修記事)、入山前の靴の点検をお忘れなく!昔は、細い針金を持ち歩いたりしていましたが、締めすぎると痛いし・・・、結束バンドは手軽に買えるし軽いので、グループで行動する時には少し用意しておかれれば役に立つかもしれません。

閉所恐怖症には無理!(狭いシュルンド話)

2019-07-29

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シュルンド内の氷柱は、ピカピカ・カチカチなんです。

剱沢勤務の夏のある日、剱岳西面を登攀中のクライマーが転落したとの通報が入りました。

新人隊員だった私は現場も分からず、取りあえず準備を整え先輩達と頂上越えで現場に向かいますが通報者と合流した長次郎のコルですでに日没直前、夜間に向かうには危険過ぎるとのことでビバークして、翌朝現場に通報者に誘導されるまま現場に向かいました。

当時の私は剱岳の岩場の知識はあんまり無く、向かう途中アッチコッチで落石は発生しているし「ショッパイ」コースだな~って着いて行った先で

「岩壁から転落して、あのシュルンドに入ってしまいました」って

池の谷右又であろう雪渓から、岩壁に伸びる急峻で細いルンゼに残る雪渓の上縁に空いた狭いシュルンドです。

入り口は高さ1m位ですが、奥に向えば狭く細くなっているであろうことは容易に想像がつきます。

家の二階から階段上に低いトンネルを作って、四つん這いで一階に向かって降りてゆく・・・表現が難しいのですが、とにかく細い急傾斜でグズグズの岩屑のトンネルを下を向いて降て確認に。

正直気は進まなかったのですが、一番若い隊員だったので・・・。人間が吸い込まれた穴なんだから、上部で発生した落石は間違いなくこの穴に入るよな~、逃げ場は・・・なんてことを思いながら。(遭難者を担いで岩場を下降中に、上部で発生した落石をサポート隊員が脚で蹴って逸らせたって伝説が有りますけども・・・不安!)

ザレ場のルンゼを、蟻地獄の様にずり下がらない様にベルトにロープを固定して頭から下方に向いて下り始めます。

最初は、膝を立てて入って行けたのですが・・・徐々に天井が低くなってきてホフク前進状態になります。(映画「大脱走」的な!わかんないかな?)

進むにつれて入り口からの光は自分の身体が遮って真っ暗に、ヘルメットに固定してあるヘッドランプは天井の雪渓に擦れて関係の無い場所を照らして前が見えずに腹ばいで下って行くと、前に伸ばした軍手を付けた手に硬いけど石ではない感触が・・・手を引き寄せて目の前でライトを当てると、泥と血に塗れた軍手が血生臭くって。

背中は雪渓に当って、狭く動けないのですが少しずり下がり遭難者の足にロープを縛ってから方向転換も出来ず腕力で入り口方向にずり上がりながら、安全な所でロープを引く?先輩たちの声に合わせながら遭難者の足を引きずって尻からシュルンドを這い出して来たのでした。

後から現場は「剱尾根」、クライミング技術の未熟な新人隊員が近寄るなど畏れ多い超難所だったと知らされたのでした。

もし転落後に強い雨でも降ろうものなら、シュルンドは元々沢なので水が集まり流れて遭難者は奥へ奥へとズリ下げられて万年雪の下に潜り込んでしまう可能性も、そうなれば家族の元に帰る事は出来なかったかもしれないし、少なくとも発見収容までは相当な日数が掛ったでしょう、そうなれば後に対面する御遺族のことを思うと・・・察しがつきますか????少しでも早く返してあげるのが一番なのです。

狭く動きの取れない氷の穴は、今の私の体格では絶対無理な作業でした。良い子は、絶対に真似してはいけませんから!

台風6号でも元気に!

2019-07-27

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「朝ピッカリ」雲がギラツイテいます。

台風接近でしたが、今シーズン初の二桁宿泊(11名)とテントの6名グループは、ほとんど雨に遭わず元気に届かれました。(+素泊まり1名)

夕食時には皆さん仲良くなって食欲も旺盛で、味噌汁代わりの素麺が付くので女性も半分以上いるし御飯は人数と同数の1.1合炊けば余って来るだろうと思っていたのですが・・・大盛り連発でハラハラものの初の二桁夕食で、今朝も1.2合がほぼほぼ無くなり、味噌汁も普段の5割り増しに作ったのに鍋が空っぽに。気持ちよかったです!

山小屋の仕事は、登山者が山を楽しむためのサポートです。翌日も元気に歩いてもらうために、食事を沢山食べてもらうのは大切なことと考えています。 その日その日で出来る事は限られているのですが、そんな中でも御飯は時間に合わせて炊き立てを・天ぷらやフライも揚げたてを・素麺ツユには氷を入れて等々出来る事をやって、それがお客さんに伝わって喜んでもらえる事は「仕事の遣り甲斐」を感じれる瞬間なのです。(なにかで「遣り甲斐」感じれていますか???)

※すでに仙人池からの登山者も到着しており、台風被害は心配しなくても良いかと。ただし、この先気温が高く推移する予報ですので水分補給を怠らずに!

※テント泊のリーダーが「帰り道が心配だから」って未整備個所にロープフイックスをかって出てくれて、連日のキュウリの配達も・・・、皆さんに助けられている阿曽原小屋なのでした。

つくづく・・・ありがとうございます!

2019-07-26

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折尾の大滝は眩しくて・・・。

今日の宿泊は、欅平からピストンの名古屋からのお客さんが一人。(ちなみにテント泊の4人も愛知・岐阜の方々で、中京祭り?な日でした)

毎年暇なこの時期に単独で来られている方で、受付しているとザックの中から包みを取り出して「お土産にキュウリ」って? 

このページに、浅漬けをキュウリから大根に変えたって書いたのを見ておられて「家の畑は豊作だから」ってワザワザ担いで来てくれたのです。

昨日も、台風の影響についての問い合わせの方からも「キュウリ持って行くから」って!(台風が心配だったら、無理して来ないで下さいね!阿曽原は無くなりませんから)

何の気なしにHPに書いたつもりでしたが、こんなに少ない宿泊者なのに気を遣ってくれている方が次々と!

そういえば昨年も「10月の連休に御釣り用の百円玉が厳しくなるかも」って書いた途端に、ワザワザ宿泊やテント泊の支払いに全て百円硬貨を用意して来て下さった方々や、「モノモライになった」と書いたら目薬を届けて下さった方もおられました。

昨日もクマ避けの百均ピストルを再度届けてくれた人も来て・・・他にもイロイロ阿曽原を気遣って下さっている方も。

決して決して、催促している訳では無く、日々の小屋の生活を紹介したつもりですが「心配して下さっている方々が、こんなに居てくれるんだな~って」思うと本当にありがたくて!

「みんなと繋がっている、素敵な仕事なんだよな~」って思ってしまう小屋主なのでした。

暑いので涼しい話しを!

2019-07-26

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シュルンドの中は、雪が融けて大粒のシャワー状態です。(これは折尾谷、広く薄くとても入れません)

一般登山道を歩いていれば、シュルンド(岩盤と雪渓との隙間)に近づく事も見る事も無いはずですが、岩盤の流水が雪渓の裏側に消えていれば容易にそこには雪渓に穴が開いていると気付くはずですが、雨の時だけ出来る流れの場所にも発達していたり、岩盤が日射で温められて隙間が空く事も有ります。 一旦穴が開いてしまうと、風が通って見る見る穴が発達して行くことが有ります。水量・気温・斜面の向き等で様々な出来方をします。写真の様に大きく薄くなっていたり、狭く急な斜抗みたいなものも出来ます。

剣沢勤務の夏のある日、源次郎尾根二峰側壁を登攀中のクライマーが転落したとの通報が入りました。

現場に駆けつけると、平蔵谷の枝沢のシュルンドに転落したままで誰も入って行けもせず生死の確認も取れていないとのこと。(かなりの高度を、身体を岩盤にバウンドさせがら吸い込まれていったとのことでした)

覗き込むと切り立った岩壁と雪渓の間はほぼ垂直で、暗いシュルンドの奥は傾斜が緩くなっているのがヘッドライトの明りでなんとか分かるのですが遭難者の姿は見えません。

正直私も気は進まなかったのですが、一番若い隊員だったので・・・。スノバーで支点を作って10m余り懸垂下降して底(岩壁の緩斜面)降り立つと高さ3m位の空洞となっており、少し先に横たわる血にまみれて心肺停止した遭難者を見付けました。

急傾斜で岩屑の蟻地獄状態で足場が悪く、自分がずり下がって行かない様にザイルで確保しながら手早く遺体収納袋に梱包して、雪渓上の隊員と近くに居た大学山岳部パーティの力を借りて回収したのでした。

シュルンドの底は冷気が漂って寒く、間接的に差し込む薄暗い光と雪渓が融け落ちる滴の音がやたら響くし空気の動きも滞っていて・・・あまりの雪渓の厚さに崩落して埋まるとは考えませんでしたが、そのまま地の底まで引きずり込まれそうな不気味な空間で、思い返せば「インディジョーンズ」的な・・・???

少しは涼しくなっていただけたでしょうか??? 良い子は、シュルンドに落ちても・近付いてもいけませんからね!

※本日、シーズン初のキャンプ場利用の方が見えられました♪♪♪草刈り、しっかりやっておいてよかった~っ!

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