阿曽原温泉小屋

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雨で発生したもの?

2019-04-30

写真

シジミ谷出合!(欅谷出合から黒部川上流を望む、中央右側からのデブリが)

泥水が雪と一緒に雪崩れて茶色になっています。

多分?金曜日から土曜日に掛けての降雨で、斜面・沢筋の残雪が浮いて一気に運ばれたのでは?遠目にも表面が凸凹したままで、気温での融雪変化が見られず、均一な色なのは広範囲に大量の泥交じりの湿雪が溜まったのではないかと想像できます。

もちろん一度で出来上がったスノーブリッジでは有りませんが、一面に広がる様と黒部川とを比べれば雪崩の規模が分かるかと! 雪渓やスノーブリッジが崩壊した時に現れる破断面に、何筋もの茶色の縞模様が見えるのはのはこのせいです。(雪の大谷ウオークの雪壁に横筋が見えるのは、黄砂・降雨等です)

黒部峡谷は、深く高低差が有るので谷底は残雪が無くても、標高の高い所には大量に残っている時期があります。降雨で一気に緩んで雪崩れた後に、標高の高い所では冷え込んで降雪となったものと想像できます。(これは底雪崩れで、「ホウ雪崩」とは違いますから)

こんなものに巻き込まれようものなら、脱臼・骨折・窒息・・・まずは助からないでしょう! 

同じ場所でも、条件の悪い時には近づいてはいけないとの証拠です!

一般登山道以外では、山を見て想像力をかき立てて、自分の実力・経験(総合力)を考え合せての行動が大切になってきます。春山登山は、高山帯では残雪の付き方・天候等でルートを自分で決めなければなりません。 

気温低下や降雪が有れば、昨日まで普通に歩けていた斜面が危険地帯に変わる事は良くあることなのです!

これから、室堂に向いますが、ネット環境が悪かったり・夜な夜な催されるであろう激しい飲み会で?自分を見失ったりして・・・更新が出来なかったらゴメンナサイです!

この時期は!

2019-04-30

写真

カモシカマダニ(こいつ~!!!)

春先は、新緑が芽吹いて気持ちのいい季節なのですが・・・。

こいつらも活動を始めます! 写真は、昨日の作業中に私の服に張り付いていた「カモシカマダニ」です。

ダニと呼ぶには巨大で、血を吸ってパンパンになると大きなスイカの種みたいになります。 こいつは腹が空っぽでペッチャンコ、外縁に筋が立っています。(飢えているのか活動的でした)

不思議な事に、肌に直接噛みつく時には痛みを感じません、麻酔薬みたいなものを出しながら噛みつくと聞いた事が有るような? その代り、Tシャツの上から噛みつかれるとかなり痛くて!

黒部で仕事をするようになって、教えられたのが「春先の栂の木の下では休むな!」でした。  栂の木は、木の皮が松と同じようにガサガサと隙間があります。冬の間カモシカマダニは、その隙間に入り込んで越冬しているとのことです。

春先に動物が活動し始めると、その皮の隙間から動物目がけて降って来て寄生するらしいとのことです。(蚊の様に、呼吸に反応するのか? O型の人間にばっかりタカル気も?)

黒部の谷では、栂の木等の針葉樹は尾根上に発達しています。特に、栂は大きく太い根を張っているので、根本は平らになって休憩場所には持って来いなのです。 

しかし春先には、危険エリアとなる事をお忘れなき様に!

残念なことに!!!

2019-04-29

写真

昨日の奥鐘山! 新雪を被れば綺麗なのですが・・・。

残念な事に、北アルプスで遭難が相次いで発生してしまいました。

富山県内では2名の方が、いずれも疲労凍死で亡くなっておられます。

天気予報通り、高山帯ではかなり吹雪いていた様です。

写真は欅平からの奥鐘山ですが、標高750m以上には白くなってしまいました。

想像するに、雷鳥沢・北の又岳の両遭難地点は風の通り道で、遭難時は暴風雪だったのでしょう、積雪はそれほどでもなくとも強風に煽られれば急激に消耗してしまいます。

両件とも、悪天候時の単独行での遭難事故でしたが、引返す勇気!を持って冷静な判断をお願いいたします。

今日で、トロッコ列車の運行再開に向けての作業を終わらせました。

明日から連休の間は、室堂ターミナルで「入山指導員」として登山者のサポートに上がります。

この時期は、昭和55年から室堂・剣御前・剣沢辺りに毎年入って来ました。 山を楽しみに来られた方々を決して脅すわけでは有りませんが、イッパイ痛い目に遭って来ている私です、皆さんの知らない事を伝えてあげられるかも知れません。 

同僚の指導員も経験豊富なメンバーですし、最新の情報も毎日入っております。  ターミナル内の、受付窓口に気軽に立ち寄って情報を仕入れて頂ければと思います。

快挙です!

2019-04-26

写真

スタッフに、花を贈りたいです。(俺が贈っても・・・似合わねーってか?)

快挙です!

大晦日に、チューリップテレビで制作・放送された

「沈黙の山」

このサイトで紹介して来ましたが、ギャラクシー賞の最終選考の14作品に選ばれたそうです。

大賞の発表は5月中らしいですが、最終選考に残ること自体が大変な事だとか。

ちなみにギャラクシー賞とは、放送批評懇談会が日本の放送文化の質的な向上を願い、優秀番組・個人・団体を顕彰する賞とのことで、かなり権威のある賞らしいです。

私は意見書を出しただけで番組制作で苦労したわけでは無いのですが、スタッフの一生懸命さを見ると「応援しなければ!」との気持ちになったのは確かです。

大きなテーマで、条件の良い時に観光だけで訪れた方には分かり辛い内容だったかもしれませんので、県の観光推進事業に楯突く!既得権益を守る為!みたいな解釈されてしまう方が居られるかも知れませんが、よく見て考えて頂ければ「立山黒部」の利用方法はどうあるべきなのか見えて来るはずです!

○なぜ冬期間に利用されてこなかったのか?

○ヨーロッパアルプスと立山との違い?

○霊山として登られてきた立山と、どのようにして付き合って来たのか?

等々、事情の分かっている方には分かっていたはずですが声を出せないでいたのでは?

そもそも県政に疑問を唱える内容には、地方の小さなローカルテレビ局内でも様々な論争・葛藤も有ったであろうし?そんな中で作り上げた勇気とパワーに敬意を払わねばなりません。そして素人ながら「限られた番組時間内に、よくまとめ上げたな」と感心させられます。

「立山・黒部」の素晴らしさを、「多くの方に来て頂いて感動してもらいたい!」との思いは関係する者の総意であるはずです。 知恵を出し合い、良い方向に進んで行けばと思います。

なにはともあれ、大変めでたい事です!

GW後半は、慎重な行動を!

2019-04-26

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先日の、トロッコ宇奈月駅前の桜!(奥山には白い山が)

トロッコ列車の、運行再開に向けた作業が悪天候続きで捗らず・・・室堂ターミナルで予定されていた「入山指導員」勤務をキャンセルしています。

30日から、なんとか向かいたいと思っていますが、上下山が面倒だから7日まで通して室堂でウロウロしている事にしようかと!

ここにきて、寒気が入って積雪の予報がされています。 前に「ホタルイカ」の配達の為に、無理して登って大変な目に遭ったことを書きましたが、この時期は少し寒気が入ると真冬に逆戻りになります。

今回は前半に崩れるので、奥まで突っ込んでしまって身動きが出来なくなると言うよりは、GW後半に新雪が積もってからの表層雪崩の心配をしなければならないのではないかと!

入山される前には、コース状況を把握して! 分からなければ、富山県には山岳警備隊・入山指導員・登山指導員が、立山駅・室堂ターミナル・馬場島等の入山口に控えていますので問い合わせて頂ければと思います。

今だけ、いろんな色が。

2019-04-25

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「仏石」付近の新緑!

写真は、昨日夕方の欅平での仕事帰りのモノです。(曇り空で日暮れ間近だったので光が・・・でも、3日前の写真とほぼ同じ場所ですが違いは歴然!)

木々が、一気に芽吹き出しました。毎年感じますが、夏場には暑苦しいほどの濃い緑なのですが???この時期は樹種によって、いろいろな色を見せてくれて本当にキレイなのです。

徐々に、上流と標高の高い所へ芽吹きは進んで行きますが、見上げた所では山桜が満開になっていました。(昨日現在、欅平は全く芽吹いていませんでした)

しばらくは天候不順の予報ですが、少々天気が悪くても景色が楽しめるのが黒部峡谷です!

立山黒部アルペンルートでは、天候が悪いと標高が高いために雲の中(ガスの中)を観光する事に成ります。特に春山は、ガスと雪の白さとの見分けが付かなくなって、景色どころか何が何だか???って事が有ります。

今年の黒部は、雪が少ない割に4月が寒かったので、芽吹く時期も遅れ気味です。

新緑のシーズンは今だけですよ!感動しに来てみてはどうでしょうか。

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